社長日記
2023年10月22日
国連WFP食料支援
中東の紛争により、罪の無い多くの子供たちが食料、水もない状況になっています。
今回も、国連WFP緊急食料支援を通じて、さかなだマートの売り上げの一部を緊急支援に充てました。
ご報告申し上げます。
みなさまのお陰と、心より感謝いたしております。
戦争して多くの人を苦しめることはやめ、そのエネルギーや経済を、もっと地球サスティナビリティに費やしてほしいと常々考えています。
世界は、持続性社会を実現するために、フリーエネルギーの開発、水産を含めた持続的な資源の構築など、等しく人類のためにやらなければならない事が沢山あります。
人類の叡智を信じて、私たちも頑張ってまいりたいと思います。
2023年9月12日
感謝の念に堪えません
ほたて貝の応援をお願いしておりますが、たくさんの方々に応援いただいており、心から感謝いたしております。
みなさまも燃料高騰やインフレの影響でお困りのことと存じますが、そんな中、温かいご支援の気持ちをいただき、感謝の念に堪えません。
漁業は、10年ほど前から、後継者不足や水産資源不足の影響が顕著になっており、魚の価格も上がり続けています。
そして魚価が上がると、消費が落ちるという、良くない循環になっています。
それゆえ、私の回りでも、生計が成り立たない事業者が続出していて、ここ数年でも、多くの水産会社が無くなりました。
そんな中で、大きな大きな、今回のような問題が起き、水産事業者は、闘っていく気力さえ削がれるような事態になっています。
今回の件で、お客様から応援のありがたい提案をいただきました。
道政から、政府に働きかけてもらい、AC広告機構を通じて、「ホタテを食べよう。漁民を助けよう。」キャンペーンのCMを、テレビ、ラジオ全国規模で流してもらうべきでは?と。
ご提案をいただいて、私も早速、北海道政に働きかけました。今回だけに限らず、引き続き、働きかけていきたいと思っています。
ご提案、ありがとうございました。
ただ、良くない状況の中、一つ、大きな喜びを感じることも出来ました。
それは日本の互助精神は健在だということです。
震災の多い島国ですが、長い歴史の中で幾多の災害にも負けず、お互い助け合うという精神を培ってきた、優れた民族に私は誇りを持っています。
いつまでも、みなさまに美味しい海産物をお届けできように、私たちも頑張ってまいりますので、引き続き、温かいご支援をいただければ幸いです。
2023年9月8日
ホタテ貝と漁業を応援してください。
処理水放水による中国の風評被害で、海産物が前面的に輸出できなくなりました。
それにより、北海道のホタテ貝が大きな被害を受けています。また、ホタテ貝に限らず、他の水産物も輸出できなくなり、漁師はじめ、水産業に携わる人たちが大変な状況に陥っています。
先日も、さかなだマートが利用している大きな冷凍倉庫の前に、大型トレーラーが8台入ってきて、「どうしたの?」と聞くと、中国に輸出予定だったホタテ貝が、全部キャンセルになったんだ」と、悲しそうな顔をしていました。この倉庫だけでもこれだけの数が食品ロスになろうとしています。
また、輸出が終わったホタテ貝も今後返品されるそうで、その数は莫大な数になります。北海道の漁業関係者は、ホタテ貝で生計を立てている会社や漁師たちがほとんどですので、生活がかかっています。
そうでなくても、漁のため船に使う燃料の高騰、後継者不足などで水産業界が衰退しています。そこに中国の風評被害が重なり、漁師も水産加工業者も減る一方です。
私たちもホタテ貝の販売に力を入れて、大きな食品ロスを防ぐことと、漁業関係者を守ることに精一杯努力していきたいと思います。みなさまのご支援がございましたら、大きな助けとなりますので、何卒よろしくお願いいたします。
さかなだマート代表 辻合明男
素材力の話 vol.8 旨味の正体-2
毎日暑い日が続きますね。
北海道も本格的な夏になり、毎日暑い日が続いています。
夜は太陽が沈むと急に涼しくなるので、クーラー無しで扇風機だけで寝ています。
さて、前回は、エネルギーの元となるアデノシン三リン酸が分解されてイノシン酸という旨味成分に変わるというお話しでした。
ただ、どんな魚もイノシン酸がたっぷり生成されるのかと言うと、結構魚種により差があります。
運動量の多い、マグロやブリ、ホッケやアイナメなどは、寝かせることによって旨味が増しますが、運動量が少ないカレイやヒラメ、タラなどはあまり変わりません。
運動量が多い魚はエネルギーの元となるATP(アデノシン三リン酸)を多く含んでいるようです。
そのエネルギーを沢山持った魚がアデノシン二リン酸に分解されることにより、旨味であるイノシン酸を多く生成します。(熟成と呼びます)
みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、漁や釣った魚は、海の中で暴れさせると美味しくないと言われます。
これは、アデノシン三リン酸が暴れることにより、エネルギー消費が激しく、アデノシン二リン酸の状態で、揚がってくるからです。
エネルギーの元となる物質が旨味に変わるので、エネルギーを使い果たした魚は、分解してイノシン酸を生成する量が極端に減るからなんです。
鮮度が良い魚は美味しいですが、ただ単純に、鮮度が良いから美味しいとは言えないんですね。
次回は、鮮度と熟成、活締めと野締めについてと、更に追求していきます。
2023年7月3日
昆布の水揚げ風景
昆布の水揚げが始まりました。
私たちの工場がある茅部郡は、真昆布の産地です。
昔、将軍家や朝廷へ献上された昆布で、別名献上昆布と呼ばれます。
船から昆布を引き揚げる作業
昆布を引き揚げるためクレーンのフックを昆布のロープに引っ掛けます。
傷が付かないように、ゆっくり昆布を引き揚げます。
船に結わえてあった真昆布をゆっくり引き上げます。長いですねえ。
ゆっくり陸に下ろしていきます。
漁師の仕事は力仕事です。昆布の束を抱えて所定の場所に持っていきます。
実は、一生懸命昆布を運んでいるのは、さかなだマートの工場長の友達です。
小学校からの付き合いなんです。
大手企業の依頼で、海外で指導や指揮を執ることもたびたびある優れ者です。
陸で待っていた人たちが、昆布を根付かせていたロープを外す作業をします。
昆布漁は、親戚も参加して一家総出での作業です。
大忙しのコンブ漁ですから、邪魔にならないように配慮しながらの撮影ですが、船頭が、
「もっと近くで撮っていいよ」と、快く承諾してくれました。
邪魔になるので、なかなかこんな近距離で撮れないのですよ。
そしてその後トラックに積み込み、石を敷き詰めた干場へ持っていき、昆布干しの作業が始まります。
茅部の真昆布は清澄な出しが引けることで知られており、主に京都の料亭などで使われます。
2023年6月3日
お散歩ショット
ポケットカメラを持って、小雨の中、近くをぶらっと散歩してきました。
北海道の春は、草木が長い冬から解放されて躍動します。
シロツメ草とたんぽぽだと思いますが、たんぽぽの茎が長いんですよね。本州のたんぽぽと同じかな?
たんぽぽの綿毛ですが、今にも飛んでいきそうです。
う~ん・・。線香花火のように見えてきました。笑
ふわ~っと、ま~るい感じがいいですね。
タンポポをこれほどじっくり見る機会はないのですが、じっと眺めていると、何かこう、不思議な世界に感動が沸いてきます。
1つ1つの種子が風に手伝ってもらって、遠くまで飛んでいけるような形になっていて、とても軽そうです。
小さな自然の中にもいろんな色があって形があって、美しさと機能があって、眺めていると無限の小宇宙に吸い込まれそうです。
桜が散った頃にフキの葉が成長して大きくなります。直径50㎝くらいから、大きいのだと80㎝くらいありそうです。
さすが北海道。なんでも大きいです。
ほんとそうなんですよ。鹿も奈良の鹿より一回り大きいし、熊も本州より大きいですよね。
まあ、それはご存知だと思いますが、ちょっとびっくりしたのは、タヌキの大きさなんです。
タヌキも本州より大きいのですよ。以前、車の前を丸いものがノソノソと、道路の真ん中を我が道を行くって感じで、譲ってくれないんですよね。
100m移動するのにどれだけかかっただろう・・。
タヌキもあれはあれで走って(転がって?)いたのかもしれません。ただはっきり言えるのは、自分の足で歩いたほうが速かっただろうということです。
なんの花かはわからないのですが、綺麗だったのでカシャ!
長い草が風になびいて綺麗でした。風が吹いて、倒れたり起き上がったりするたびに草の色が変わります。
まるで波のようでした。
光の反射が変わるからでしょうか、とても躍動感があって魅力的でした。
こういうシーンは動画のほうがいいかもしれませんね。
なんの花かはわかりませんが、きれいなので撮りました。花びらが幾何学的で面白いですね。
雨上がりなので、葉に水滴がついていました。まるでジュエリーのようです。
よく見ると、葉にうぶ毛のようなものが付いていて、産毛があるので水滴になって留まっているんですね。
産毛があるのは、産毛が空気中から水分を吸収して、葉脈を通って茎まで運ぶためだと思います。
うーん・・虫が付かないようにするためかな?
「ねこさんもお散歩ですか~?」
「〇×△#・・・ニャン♡」
友情出演してくれてるそうです。
それでは、自然を楽しんでください。
2023年5月16日
素材力の話 vol.7 旨味の正体
一概に魚ってひとことで言っても、まだまだ流通してない魚も含めて、いろんな魚がたくさんあるので、ひとくくりには出来ません。
この世界には一体どれくらいの種類の魚が居るんでしょうね?
私たちがこの仕事を始めて早25年になりますが、北海道の魚でも未だに見たことが無い魚に出会います。
ソイだけでも、黒ソイ、黄そい、真そい等、数種類あります。
鮭もそうですよね。白鮭、紅鮭、銀鮭、トキシラス、マスノスケ、鮭児、メジカと、沢山の種類があります。
それぞれ味も旨味も違うので、本当に魚って奥が深いと思います。
例えば、ホッケは学術的分類では、スズキ目⇒カジカ亜目⇒アイナメ科⇒ホッケ属⇒ホッケ なんです。
分類するのも大変なくらい種類が多いってことですよね。
アイナメのカリカリ焼き、グリル野菜とアンチョビーソース
まあ、それほど種類が多いので、味も旨味もその数あるってことですから、一生かかっても知り尽くせません。
スーパーなどでお目にかかる魚は、極、極わずかなんですね。
まだまだ北海道でしか食べられてない魚って沢山あるんです。
今では多くの方が知ってる、ホッケも、ほんの二十年ちょっと前までは本州に流通してませんでした。
これを北海道出身の居酒屋チェーン店の社長が取り扱ったところ、お客さんが美味しいってことになって広まりました。
ちなみにサクラマスは、さかなだマートが全国に紹介したんですよ。今では鮭を超える高級魚になりましたが・・。
さてさて、これから魚の旨味の正体のことをお話ししていきますね。
三大旨味成分と言いますと、「イノシン酸」「グルタミン酸」「グアニル酸」ですが、名前はご存知の方もいらっしゃると思います。
魚にはATPというエネルギーの元となる物質があります。
adenosine triphosphateの頭文字をとってATPと呼ばれています。
動物は食べ物を食べて栄養素を吸収し、ATPという物質を作って細胞に蓄えるのですが、このATPを分解することによって、エネルギーを得ているんです。
そのエネルギーで運動したり、心臓や腸を動かしたり、息をしたりできるわけなんです。即ち、生きていくことが出来るんです。
それと魚の旨味にどんな関係があるの? と思われますよね。実は、魚が死んだあと、このATPが分解されて、旨味成分であるイノシン酸が多量に生成されます。
これが旨味の正体なんです。
鹿部町の依頼で開催したお魚講習会。この時のメニューは魚貝の鍋とお刺身でした。
生きている魚の中にもイノシン酸は存在しますが、死んでからのほうが多く生成されます。
アデノシン三リン酸が分解されて、アデノシン二リン酸に変化する時に多く作られます。
アデノシン三リン酸は、平たく言うとエネルギーの元となる物質がたくさん身体に蓄えられている状態です。
ただ、激しい運動をするとエネルギーをたくさん使うので、アデノシン二リン酸になってしまいます。
そしてまた食べ物を食べて休養をとれば、アデノシン三リン酸の状態に戻ります。
人も同じ、運動量の多い人は、しっかり食べて休養をしっかりとることが大事ということですね。
かんたんに、旨味とは何かの説明をしましたが、またこのイノシン酸、1959年に、国中明(くになかあきら)氏によって、イノシン酸とグルタミン酸と共存することで、爆発的に旨味が増強されることを発見しました。
グルタミン酸は昆布にたくさん含まれるので、魚も昆布締めにすると旨味が増してとても美味しくなります。
ただ、「魚が死んでから寝かせれば旨味が多くなって美味しい。」という単純なものではないので、その辺りはまた次回にでも説明させてもらいます。
2023年4月2日
道南の桜
桜前線もだいぶ北上してきましたね。
北海道はいつ頃になるんだろうと、先ほど桜のつぼみを観察に行ってきました。
暖かくなったとは言え、まだ風が冷たいので、硬く小さな蕾でした。
北海道の道南の開花は、早い年だとGW前くらいです。
今年の始めは寒くて、なかなか雪も解けないだろうなと思っていたのですが、3月下旬から急に解け始めたんです。
もしかしたら今年は早く咲くかもしれませんね。GW中に満開になるといいですね。
スポットは、五稜郭公園、松前です。五稜郭はタワーから見下ろす景色が絶景です。また、五稜郭は、日本のダヴィンチと言われた、武田斐三郎(たけだあやさぶろう)という人が設計し、先進的な星型をした鉄壁の要塞でした。
その内外に1600本くらいの桜が咲きます。夜にはライトアップされて、とても綺麗なんですよ。
また、松前は松前城の石垣と桜のコントラストが絶妙で、過去にタイムトラベルしているような気分になり、歴史を感じさせてくれるので好きですね。
桜と石垣と言えば、私の故郷、吉野の又兵衛桜があります。とても風情があるんです。
吉野の又兵衛桜。石垣と、しだれ桜がとても美しい
後ろの少し濃いピンク色は桃の花です。
こちらは松前城の桜です
五稜郭の堀に、散った桜の花びらが浮かんでいます
掘の水に浮かんだ花びら
おっと。ねこも花見に来ていたようです
桜吹雪の中を駆け抜けていきました。いい天気で良かったね。
2023年3月21日
素材力の話 vol.6 魚を知る
誰も知り合いがいない北海道へ来て、最初に出会って、お世話になった方が漁師の吉田さんでした。
この方は、いつかは飲食店をしたいという夢を持っておられて、漁師でありながら、調理に大きな関心を持っておられました。
私も18歳の時から料理を学び始めて、イタリアでも料理やサービスを学び、奈良で一号店となるイタリア料理専門店を建てた、生粋の料理人でした。
料理への関心や、技術の向上という共通した価値観を持った二人が深い縁で繋がるのは自然なことのように思えました。
吉田さんには、実際漁師の仕事を教えてもらうために、早朝から漁の手伝いを兼ねてついて回りました。
この体験が、後々、魚を知るという大きな役に立ったのです。
そしてその次にご縁をいただいたのは、道立工業技術センター内、水産研究員の、吉岡博士でした。
まだまだ五感で魚を捉えていた私は、鮮度や旨味であるとか、食感などの正体と申しますか、それを科学的なエビデンスで解明したいと考えるようになっていました。
そういった時に、吉岡博士とご縁ができ、いろいろ手助けしていただけるようになったのです。
博士も北大から函館工業技術センターに就任されたばかりということもあって、水産会社や、漁師の仕事のことなどを知るところから始められていました。
私の出身は、奈良の吉野で、海の魚にはあまり縁がないところだったので、もっと学びたいという欲求が強く、この出会いはほんとうに有難かったですね。
すでに水産会社を立ち上げていた私は、たくさんの疑問を持っていました。
今では当たり前のようになっていますが、当時は、ドリップ流出がどうして起きるのだろう?なぜ死後硬直が起きるのか?鮮度が良いのに、なぜ急速解凍したら身が縮むのだろう?などなど、たくさんの魚をさばいている中で、たくさんの疑問が沸いて出たのです。
そういった質問を吉岡博士に解いてもらったり、経験の中で学んでいきました。
知識だけでは自分の中に落とし込めないので、経験で確認するという事を繰り返しながら、本当に「わかった」というところまで持ってくることが出来たのです。
知識を裏付けるのは経験から得たプロセスや結果であり、経験から感じたことは知識で裏付けると、より確かなものになって、自分の中に落とし込めました。
まだまだ魚って未知なる事が多いのですが、ただ、漁のことを学んだり、研究結果を教えてもらったり、毎日毎日、数百匹の魚を捌いた経験の中から、少なくとも料理人が学べる限界を越えて学ぶことが出来たと思っています。
また、一般的に「旬」と言われている概念も変わったほどです。
2023年3月15日
北海道、春のホタテ貝祭り開催!
いつもお世話になり、ありがとうございます。
3月16日(木)から、春のホタテ貝祭りを開催します!
以前ご案内しておりました、4年貝のホタテ貝ですが、長らくかかりましたが、先日、やっと仕入れることが出来ました。
4年ものホタテ貝を抜きに、ホタテ貝祭りをスタートしようかと考えていましたが、一昨日、仕入れることが
できましたので、すぐに開催の準備をして、急ぎ、明日からスタートすることにしました。
活ほたて貝も出荷準備ができましたので、ぜひ商品ラインナップを見にきてくださいね。
期間は、3月16日から4月末近くまで予定しています。
また、わけあり貝柱など、お得な商品も掲載予定していますので、ご期待ください!
順次、追加掲載してまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
2023年3月10日
いつもメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。
みなさまもニュースで御存知のように、佐川急便送料8%値上げ、ヤマト運輸10~17%の送料値上げと報じられていました。
ニュースを観たお客様から、送料は値上げになるのでしょうか?というお問い合わせをいただいておりますが、
沖縄を除いては、1円も値上げすることはありませんので、ご安心ください。
さかなだマートからの出荷量も年々増えていますので、運送会社両社も、最小の値上げで留めてくれました。
ただ、運送会社も、沖縄だけはどうしても従来の送料だと難しく、致し方なく値上げになりそうです。
そこで、私たちも船便で送れないかなど、何か良い方法はないか、現在調べています。
同じ国内なのに、沖縄だけ高額って、何か違うんじゃないかなって思うんですよ。
送料の半分でも国が補助するなどしてくれたら、沖縄の方も気軽にショッピングを楽しめるんですけどね・・。
とにかく少しでも安く宅配できるように、いろいろ手を尽くしてみます。
2023年3月8日
4年物ほたて貝
噴火湾では、春恒例の一大漁、ほたて貝の水揚げが始まってます。
噴火湾は、北海道でも有数のホタテ貝のメッカなんですよ。
味が濃いことで知られていて、しっかりホタテ貝の味がします。
天然ホタテ貝も前浜で水揚げしているんですよ。
ほたて貝の入札前風景です。右側にあるのがホタテ貝で、この枡には800㎏程度入ってます。
ところでみなさん、4年物のほたて貝があるって知ってましたか?
大きな貝で、読んで字のごとく、4年間、海で育った貝なんです。通常はほとんど2年、3年で出荷してしまうのですが、3年物を漁師が何かの都合でその年に出荷できなくて、翌年まで持ち越したものが4年物になります。
1年も長く海で育ったものですから、メインディッシュになるくらい、とんでもなく大きくなります。それが4年物なんです。
4年物は、さかなだマートの社員でも見たことがない人がいるほど久しぶりです。市場には毎日50トンくらいのホタテ貝が水揚げされますが、4年貝はめったに市場にも並ばないんですよ。
おそらくコロナ渦で昨年出荷できなかった漁師がいたのでしょう、八雲漁港で水揚げされているって情報が入ったので、久しぶりに入札する予定です。
八雲漁港は、鹿部町から1時間ほど北ヘ車で走ったところにあって、私たちも場内参加権利を持っていて、直接入札することができます。
真ん中の並び、左から5番目の39嘉楽と書いてある札が、さかなだマートの会社名です
でも、入札って、いつまでたっても難しくて、なかなか思うようにいかないんですよ。
いい貝だなって狙いを定めていると、他の仲買い人も狙っていたりして、5円差で勝ったり負けたりします。
中には、とんでもない値をつけて落札する人もいます。
価格差があって負けた時はあきらめが早いのですが、1円、2円差で負けたりしたら、「ああ・・やられた」と、ちょっと悔しくなります。
まあ、でもこれも市場の世界、そんなものなんです。
もし落札でき、販売できるようでしたら、ご連絡しますね。
ご案内できるよう頑張ります!
2023年3月1日
マイナス65度ブライン凍結
いつも、社長日記を読んでいただき、ありがとうございます。
お変わりございませんか? 風邪などひかれていませんか?
季節の変わり目になりますので、身体に気をつけてくださいね。
今日はお昼頃から台風のような風が吹き始めました。今も外では、ゴーっと風の音がしてます。
毎年、3月に入る頃に、こんな強風が吹きます。この風が吹くと、そろそろ春が近づいてきてるのだなと感じます。
この一週間は、海も時化で、漁師も船を出すことが出来ず、魚があまり入ってきませんでした。
ただ、そろそろホタテ貝の漁の季節がやってきますので、漁師も漁に出れない間は、ほたて貝を水揚げする準備をしています。
噴火湾は、北海道の中でもホタテ貝の一大産地で、味が濃いことで知られています。
天然ほたて貝も、3月中旬頃から漁が始まりますので、入りましたらご案内いたしますね。
さて、今年もおかげさまで、さかなだマートをご支援いただき、忙しくしております。
私も現場に入る機会が多く、社員育成に、製造にと携わっています。
幸い、工場長に多くを任せることが出来るようになってきたので、ちょっと楽になりました。
それでも、今年は社員も増えたので、気を抜くことはできません。
私たちが扱っているものは魚ですから、ちょっと気を抜くと鮮度が落ちたり、処理が甘かったりなどが起きます。
今年は、更に技術向上を目標にしたいと思っているので、チームワークも整った工場にしたい思っています。
そうそう、ちょっと先になりますが、マイナス65度ブライン凍結も、復活させたいと思っています。
3Dエアブラスト凍結も非常に高い冷凍技術なのですが、その上をいくのがマイナス65度ブライン凍結です。
液体をマイナス65度まで下げておいて、その中にダブル真空包装した素材を直接入れるのですが、凍る速度は驚異的なんです。
例えば、魚のフィレを入れたとすると、目の前でみるみる凍っていき、ほんの十秒くらいでカチンコチンに凍ってしまうという、異次元の冷凍技術です。
解凍しても、漁師が水揚げしたばかりの魚と見分けがつかないほど品質が良いのですよ。
この機械も、さかなだマートが開発して造った、オリジナルな凍結機械なのです。
まだこの冷凍温度のブライン凍結機は、他では見たことがありません。
最近は、冷凍した鮮魚をお求めになられる方が増えてきたので、この凍結機を使って、これ以上ないという品質の冷凍鮮魚を作りたいと思っています。
ただ、難点は、たくさん生産できないので、限定生産になると思います。
でも、やっぱりこの技術で作った商品は、みなさまに是非とも実際見て、触れて感じてもらいたいと思うのです。
解凍して、「えっ?泳ぎだすんじゃないの?」と思うくらいすごいんですよ。
「北海道の漁師が水揚げしてきたばかりの魚の鮮度を、みなさまに見ていただきたい!」そんな気持ちがぬぐえず、再開することにしました。
量を安定して生産できないので、一度中止したマイナス65度ブライン凍結ですが、こういう商品を提供できるのが、さかなだマートだよね・・と、やっぱり恋しくなったわけです。
安価に喜んでもらうというのが、さかなだマートですが、世界一の技術で世界一の冷凍品を提供するのも、さかなだマートなんです。
準備が必要なので、すぐに再開というわけにはいきませんが、年内には再開したいと思いますので、その時はぜひ、手にとって、食べて、感じて、そして感動してくださいね。
今、午後11時ですが、こういう話しを書き始めると、熱くなって眠れなくなるので、これくらいにしておきます。笑
みなさん、楽しみにしていてください。
いつも心から感謝しております。
2023年1月27日
素材力の話 vol.5 大きなハードル
素材力の話が2022年11月16日が最後で、現在まで大分間が空いてしまいました。
前回の話は2022年11月16日の、こちらになります。
社長北海道日記 2022年 漁場通販のさかなだマート (sakanadamart.net)
素材力の話vol.4では、北海道の漁港でセリに参加できる資格を取得するためのハードルがあって、思わぬ展開になっていったというところで終わっていました。
プロの仲買になるには、漁連の承認も必要となるのですが、これがなかなか思うように運ばず、何度も何度も漁連に足を運んで説明する羽目になったのです。
審査みたいなものでしょうね、当時私は、関西から北海道に移住してきたばかりで、漁連からしたら、どうして北海道へ来たのか?どうして場内参加権を取得するのか疑問に思われたのでしょう。
会議室のような場所で数人に、たくさんの事を質問されました。
北海道へ来た経緯、奈良では何をしていたのか、どうして北海道へ来たのか、なぜ場内参加するのか、などなど。まあ、今から思えば当然のことだと思うのですが、当時はなぜこれだけ質問を受けるのかわかりませんでした。
足を運んで3度目くらいになると、「もう諦めたほうがいいよ」と言われているような気がするようになって、半ば、厳しいのかな・・と、思うようになっていました。
私としては純粋に、こんな良い魚を全国のみなさんに紹介できればというシンプルな動機でした。
ただ、今思えば、この地方卸売市場では、一度に数トンから数十トンの魚や貝を売買するのは当たり前のことで、大きなお金も動くことになります。
それはそうだよね・・。大きな資金が動く市場で、どこの馬の骨かもわからない者に、簡単に許可をおろすことはないですよね。
また、漁獲量(漁師の数)と、仲買の数のバランスも必要です。市場価格は、買い手と売り手のバランスで成り立っています。
買い手が多すぎると魚価も大きく上がってしまうでしょうし、逆に売り手が多すぎると魚価が値崩れして漁師の仕事が成り立ちません。
また、資源維持のためのコントロールも必要です。
長年持続してきた市場には、他にもさまざまな理由があるでしょうから、昨日今日いきなり来て権利をくださいと言っても、そうはいかないですよね。
ただ、私はこの鮮度の良い魚をどうしても簡単に諦めることが出来なくて、最後のダメ元で思うことを言って、それでもダメだったらこれも運命と諦めようと思ったのです。
いろんな事情を知らない私は、「北海道が、私たちのような学術研究都市から来た外部の人間を寄せ付けないようでは、経済発展もしない。私は純粋に北海道の良い魚を他府県にも紹介したいだけなんだ。」と、みんなの前で力説したのです。
場に沈黙が続き、その日、私は落胆の想いで帰路に着くことにしました。
そして、これまた運命の瞬間だったのでしょうか、ほとんど諦めていた次の日、漁連から電話がかかってきて、「辻合さん、承認しますよ。」とのこと。
耳を疑いましたが、もう一度聞きなおすと、やはり承認してくれたことがわかりました。
いやあ。。ほとんど諦めていたので、もう驚きとしか表現のしようがありませんでした。
大きな会社が場内参加を長年申請していても、承認されない世界です。
そんな世界に参加できたとは・・。
奇跡が起きたのです。
さかなだマートが誕生した瞬間でした。
つい最近ですが、当時審査を担当してくれていた方が二十数年ぶりに、「お元気にされてますか?」と会社を尋ねてきてくれました。
懐かしいなあと思いながら、「おかげさまで、すっかり浜にも溶け込めて、毎日、好きな魚をさばいています。」とお話していました。
聞くところによると、北海道を離れていたそうで、つい最近北海道へ帰ってくることが出来たそうです。
その後も、言葉の壁や、市場のルールなど、困難な課題をクリアしていくのですが、長くなるので割愛させていただきます。
ただ、私たちはインターネットがまだ一般的ではない時代からサイト作りに取り組んでおり、大手コンサルタント会社が北海道の水産事業を営んでいる方々にHPの作り方をコンサルする時に、さかなだマートのHPを教材として使えるよう協力したりと、北海道には沢山の貢献をしてきたと自負しています。
また、冷凍技術や、商品開発などの技術供与にも積極的に協力してまいりました。
さて、次からは、いよいよ本格的に素材力の話をしていきたいと思います。
なぜ、流通は冷凍を選んだのか、なぜ冷凍技術の研究を始めて冷凍機械まで自社で作ったのか。魚の素晴らしさと共に、その物語をお話します。
2023年1月12日
送料改訂について
いつも、さかなだマートをご愛顧いただき、ありがとうございます。
新年早々、送料の改訂をお伝えすることになり、非常に気が引けています。
今までは、例え500円お買い上げいただいても、送料は一律750円でご奉仕させていただいておりました。
しかしながら、エネルギー高騰なども相まって、赤字になる商品が増えてきて、やむを得ず送料一律の条件を、3000円以上お買い上げの場合と、させていただきました。
但し、一律750円の料金は従来と変わりません。
送料表自体の料金も、他社より格段に安価です。鹿部町からの発送も含め、さかなだマートの商品出荷数が多いので、運送会社さんが頑張って安くしてくれていることと、あとは、さかなだマートが一部負担することによって可能にしています。
これからも出来る限りの事はしていきますので、変わりないご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
今後とも高品質な商品を安価にご提供できるように頑張ってまいります!
2023年1月5日
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
大沼湖のわかさぎ釣り
みなさま、体調など崩さず良い年を迎えることが出来ましたでしょうか?
年が明けて、一段と冷え込むようになりましたので、風邪などひかないようご自愛ください。
漁師町は、漁師から水産加工場まで、ほとんどが今日までお休みです。
年明けは、昨年に続いて、すけそうだら漁が2月中旬まで活発になります。そのあとは、ホタテ貝に漁が切り替わり、漁師や水産加工場にとっては忙しい日が続きます。
さかなだマートでも、昨年から始めた天然ホタテ貝が人気ですので、今年は昨年以上に生産する予定です。
昨年12月は注文が集中して、在庫補充ができずに切らしたり、物流面でも大雪のせいで一部お届けに時間がかかったりしてご迷惑をおかけしました。
今年は昨年の反省を踏まえ、早速改善活動を進めていこうと、会議で話し合っていた次第です。
今年もみなさまに喜んでいただけるよう、精一杯努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。