社長日記
2017年12月30日
2017年も多大なご支援をいただき、まことにありがとうございました。
今年は春にリニューアルオープンし、商品を探しやすくしたり、さまざまな工夫を設けました。会員制度も設けましたが、その甲斐あってか、たくさんの方に登録いただきました。
心から感謝申し上げます。
飲食店のみなさま方は、今年は働き方改革などもあり、いろいろ方針を見直したりと多忙であったとご推察しております。社会が大きく変化する時世、飲食店の方々がいつまでも営業を続けていけるよう、私たちも変化していかなければいけないと考えております。
そこで来年は私たちも、三次加工品の開発をメインとする生産計画を立てました。仕込みの時間が足りない、人手が足りない、営業時間が制限されるなど、現場では、さまざまな事が起きていると思いますので、「手間のかからない、プロ仕様、三次加工品」をどんどん開発していきます。
また、2020年にはオリンピックも開催されます。経済も活性され、益々要求が高くなってくると思いますので、急務と考えています。
ただ、便利だけを追求して品質を犠牲にすると、顧客のニーズに応えることが出来なくなります。私たちが達成しなければいけない最大の課題は、高い品質とコストパフォーマンス、そして手間を省ける商品という全てを満たした商品作りと考えています。
来年は、みなさまの課題をテーマに開発を進め、しっかり後方支援できるように努めていきたいと思います。
いつも時代の先手を歩き、時代のニーズに応えることが出来る、さかなだマートでありたいと思っています。
2018年もどうぞよろしくお願いいたします。
2017年12月27日
今年は本当に寒い日が続いてます。例年だとここまで冷え込まないんですが、暖房器具を消すと、みるみる床が凍ってくるくらいです。最高気温はマイナス8度です。
あと、今年は最後の最後まで感謝セールを開催してます。従来ですと、運送会社が7日先まで預かってくれて配送してくれていたんですが、最近は着日指定を4日前からしか受け付けてくれなくなりました。
さかなだマートは年始お休みいただきますが、飲食店様は年始から営業されるところが多いので、ほんとうに年末ギリギリまで出荷することにしました。29日まで注文を受け付けており、最終30日出荷です。
どうぞよろしくお願いいたします。
2017年12月25日
いかの塩辛パッケージ
さて、これからパッケージ作りと、デザインの作成に入ります。今回はパッケージに、さかなだマートのデザインを入れて作ってみようと思います。
まずは最も高価になる白造りです。下が広がり、立てることも出来るパッケージにしました。開口側のほうはジップロックになっていて、そのあとシーラーで熱を加えて完全に閉じます。
白造りはイカの皮を剥いて漬けているので、最も上品な味と風味に仕上がります。
こちらは赤造りです。イカの皮を付けたまま漬けるので、少しマゼンダ色が入って赤っぽく仕上がります。鮮度が良いので、皮が入っているからと言って臭みが入るわけではありません。少しワイルドな、こちらのほうを好まれる方が多いくらいです。
そしてこちらが見ての通り、黒造りです。イカの墨を入れて漬けた逸品です。墨の癖はほとんどなく、まろやかに仕上がっています。
最後にイカなんこつの塩辛。こちらも皮を付けたまま漬けるので赤造りの仕様と同じです。試食したスタッフたちの間では最も好評でした。意外性が受けたのだと思いますが。
とりあえずはパッケージが決まりました。内容量は250gで業務店向けの量です。あとは、今回はラベルを貼るかどうかを検討しているところです。
また決まりましたら、社長日記に掲載します。
2017年12月23日
いかの塩辛味見
昨夜でイカの塩辛の熟成が一週間経ちましたので、味見してみました。
結論から言うと、「ちょっとうまくいきすぎじゃない?」という感じでした。
これだけピタッと決まると返って、何か忘れてないか?と逆に疑ってしまいます。う~ん・・でもいくら考えても美味しいものは美味しいし、逆にどれだけ手を入れてもダメなものはダメで、複雑な味になってしまいます。
まあ、やはりこれが理想なんですよね。一発で決まるということは、感性が最も働いているので、その中に迷いもなく、思考も無い状態に近いわけです。
何かちょっと想像していたものと違うとなると、途端に思考が働きだします。〇〇が足りないから?〇〇が合わなかったから?と、あれこれ迷い始めた分には、どんどん複雑な味になっていきます。
味見した瞬間に、〇〇がもう少し!とはっきりわかる時はまだ良いのですが、あれ?と感じたら根本的にやり直したほうが早い時があります。
今回は一発で決まりました。私も添加物の無い塩辛ってあまり馴染みが無かったものですから(函館のメーカーはほとんど添加物だらけ)、ナチュラル製法が想像したイメージに出来てきたので、とても嬉しかったです。
ところで、どんな風に想像したのかと言いますと、これが添加物の引き算だったのですよ。ソルビットを抜いて、酸化防止剤を抜いて、〇〇を抜いて・・残った味と風味がシンプルにイカゴロの風味豊かな味がして・・と。こんな感じでした。
7種のテスト結果から、何を商品化するかは現在思案中です。
いずれを商品化しても美味しいと思いますから、ちょっと考えてみます。
ただ、ここで満足してはいけないと思っています。お客様はプロですから、まだ上を目指さなければいけません。
商品化は来年になると思いますが、ご期待ください。
2017年12月18日
いかの塩辛作り
「商品作りは信用作り。」さかなだマートは沖縄にもお客様がたくさんいらっしゃいます。私たちの商品作りを見ることが出来ないので、常日頃こういった話しを現場スタッフにします。「オープンキッチンでお客様が見てくれているかのように仕事をしなさい。」と。
さて、イカの塩辛、三日目に入りました。そろそろ熟成が深まっていく頃です。写真を撮りましたのでご覧ください。
合計7種になった試作の塩辛。もう一つはイカ軟骨の塩辛。正油と書いてあるのは、醤油麹を隠し味に入れたもので、塩とは、塩麹を入れたものです。さかなだマートでは塩麹、醤油麹造りから商品作りが始まります。
イカは極上函館産刺身用イカを使っているので、塩辛も極上仕上げです。
こちらは赤造り。赤造りはイカの皮ごと短冊に切って入れるので、赤味が帯びます。
上はイカ軟骨を赤造り仕立てにしたもの。いずれも添加物を使わず、ナチュラル製法で作っています。
そして黒造り。イカの墨を入れ、醤油麹も隠し味に入れてます。いずれも美味しく出来てきていますが、黒が思いのほか人気ありました。想像していた味と違い、まろやかで臭みもなく癖もなく、でもイカの深みがあるとのこと。また、ある社員曰く、「調和がとれている。」と感じたそうです。
色が色だけに見た目のインパクトが大きく、それでもイカの塩辛の味がきちんと再現されているので、意外性が高いのかもしれませんね。
これからまだ数日熟成させていきますが、熟成の変化により味が変わってきますので、最も良い味の時を見極めたいと思います。
2017年12月15日
今日はイカの塩辛作りに精を出していました。
「イカの商品が沢山あるのに、どうしてイカの塩辛が無いの?」とのお声をいただいたからです。
確かにそうですよね。ただ、イカの塩辛は函館で沢山作られているので、頭のどこかに同じような商品を作っても仕方ないと、あまりにメジャーゆえ作ろうという意識が沸かなかったのかもしれません。
でも、他社の商品は添加物を使っているところが多いのと、意外と美味しい塩辛が無いので、今さらですが、定番を本気で作ってみようという気になったのです。
そこで設計した塩辛が、「赤造りイカの塩辛」「黒造りイカの塩辛」「白造りイカの塩辛」、この3種です。鮮度の良いイカとゴロがありますので、添加物など余計なものは一切入れずにナチュラルな塩辛を作りたいと思います。
今、試作しているのは、塩麹入り白造り、赤造り、黒造り。そして隠し味に醤油麹入り白造り、赤造り、黒造りの、合計6種類です。発酵、熟成を促すので、まろやかな味になると想像しています。
また、画像を掲載したいと思いますので楽しみにしていてください。
2017年12月13日
イカ釣りルアー
私も時折いか釣り漁船に乗りますが、船酔いするほうなので、あまり波のうねりが大きいとデッキに倒れ込んでいます。笑
なかなか慣れないものなのですよ。
これがイカ釣り漁船が使っているイカ釣り用のルアーです。光を当てると海の中で光り、餌だと思ってイカが引っかかる仕組みです。
デザインも違うものがあります。いろいろ工夫を重ねて改良され変化してきたものです。とても美しいですね。
右端の針に引っかかります。船上ですぐに外れるようにスレになっており、返り針がついていません。
工場で捌いていると、時折こういったルアーがお腹の中にまるごと入っていたりします。
2017年12月11日
魚の低温調理
この年末になって、まだ物造りをしています。笑
いやはや、新商品が好評いただいてスイッチが入ったのか・・。この師走のさなかにちょっとしたヒントが浮かんだものですから、思い立ったが吉日とばかりに試作しています。
近年、フランス料理のミシュラン星付きのレストランで話題になった、魚の低温調理なんです。今は低温調理機なんかも売っていますが、これを水産メーカーで作って飲食店に提供できれば、調理オペレーションが楽になるだろうとの発想からです。
もし、料理人が最小の手間で最終工程を仕上げることができれば、とても楽になります。そういった支援をしていくのが私たちの仕事ですから、ちょっと頑張って商品化したいと設計してます。
実際、プロの目に叶うものが出来るかどうか、やってみないとわかりませんが、物造りの直感ではいけると思ってます。
挑戦してみたいと思います。
2017年12月07日
いつもお世話になり、ありがとうございます。
12月に入りましたが、クリスマス、忘年会の宴会準備にお忙しいことと察します。さかなだマートでも迅速に出荷できるよう精いっぱい頑張っております。
今年は環境整備の1年と言っても過言ではないくらい、来る日も来る日も改善活動に取り組んでおりました。おかげさまで、さかなだマートをリニューアルオープンしたころから新しいお客様が沢山増え、どんどん忙しくなってきておりました。
年末の事を考えると、このままでは対応しきれなくなる恐れがありましたので、お客様にベストを尽くせるよう、半年かけて改善を繰り返してきた次第です。
半年前掲げた目標は、多忙になっても基本労働時間で業務を終わらせる。でした。100を求めるなら150を目標にしなければと取り組んでいました。例え年末と言えど、安定した業務をこなせるよう徹底的に改善と環境整備、意思の疎通を円滑に、そしてチームワークに力を入れてきた次第です。その甲斐あってか、みんな一糸乱れず息を合わせ取り組めるようになり、大幅な改善が出来たと思います。
ただ、今年は新商品を作ることが出来るかどうか疑問でしたが、10月からは新しい開発も出来ましたので、こちらのほうも何とかこなすことが出来ました。
昨年と比べると、より丁寧な仕事をし、間違いなく、迅速に作業ができるようになりましたが、これで良しというところは無いと思っていますので、お客様に喜んでいただけるよう、継続して社内改善に取り組んでまいりたいと思います。
しっかり、みなさまの後方支援をしていまいりますので、引き続き、お取引のほどよろしくお願いいたします。
2017年11月22日
ここのところずっと新しい商品開発に没頭していましたが、やっといくつか出来上がってきました。
今回は、塩麹、醤油麹造りから始めたものですから、思ったより時間がかかったと思います。冬場に入って、麹の発酵も時間がかかるようになっていたので、そういった事も理由の一つです。
塩麹や醤油麹が失敗すると、また2週間遅れますので、ここが最も気を遣ったところです。麹が出来ればあとは長年の商品造りの勘が働きますので、大きな失敗はなく、トントンと運んでいくと思っていました。
素材の漬け込み作業は、1回目では満足なものは出来ないと考えていましたから、1回目仕上がった時に何が足りないか、何が多いかを見抜く必要があります。2回目の試作で完成すれば早いほうだと思います。ちょっとでも「?」と感じたり迷いがあると失敗です。
材料の量、時間、温度など、味に影響を与える要素は細かく書き留めています。2つまみ塩を加えれば、1つまみを計って、2つまみ分の分量を上乗せします。味見は、計算と感覚の両方が合うまで妥協しません。
私は、プログラムやシステムに依存しません。また、人間の感覚だけに依存することもしません。私はサイトのプログラムも作りますが、やはり人間の感覚と合わなければそれは確かな事ではないと思うのです。
料理も同じように、レシピだけに頼らず、舌や鼻の感覚器官だけに頼らず、両方が合致した時に確立が高くなると思っています。レシピも計り間違いや、書き間違いが起きますし、感覚だと、風邪を引いたときや体調が悪い時などに自分の舌や鼻を信用できなくなります。
ですから、時間や材料計算と、感覚の両方が合格したときを、完成としています。ただ、自分の嗜好が絶対だとも考えてないのですよ。好みはそれぞれですから、これだけはそう簡単に解決できませんね。
味見する人の地域性や年齢、性別、食習慣によっても変わってきますから、そういった事も要素として大切にしています。
万人に美味しいと感じてもらえれば、ほんと最高なんですけどね。
以前、商品で大失敗した時がありました。つぶ貝の一種ですが、こんなまずいの全くだめだと言う方と、これは美味しい!と言う方と賛否両論だったのです。鮮度は間違いありませんから、原因を追究するため、そのあと賛否を地域性で分類してみました。そうするとはっきりわかりました。東北以北では美味しいが圧倒的で、伊南では全くだめだという感想でした。これだけはっきりした商品も初めてでしたが、地域性で大きく評価が変わる商品だったのです。
いやはや、ほんとに勉強になりました。
さてさて、そろそろ年末に入りますので、気を引き締めてかかりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
2017年11月20日
今日は朝からご来客がありました。バンコクで本格的な和食チェーンを展開されている料理長、いつもお世話になっている北海道立工業技術センター水産科学博士の吉岡氏、そして茨城、国立研究開発法人 水産工学研究所、水産科学博士の田村氏3名でお越しになられました。
食のことをいろんな角度で話し合うことが出来て、非常に有意義な時間を過ごすことができました。いずれの方も食に関する話しはもちろんのこと、海外の文化、物流や流通、マネージメント、マーケティングなど関連するさまざまな知識や経験に長けており、コミュニケーションに華が咲き、一瞬に感じた1時間でした。私も楽しくて、一昼夜でも会話していたいと思っていました。
バンコクでも高齢化社会に入っており、健康志向が高まっているようです。和食がヘルシーであることで、世界的に脚光を浴びている中、バンコクでも大きな支援を受けているようです。
また、物(家、車)の時代から、次の段階欲求の時代に入っているとのことです。
もっといろいろ聞きたいことや、お話ししたいことがありましたが、多忙で時間に制限がおありのようで、1時間話してお帰りになりました。
またおいでになるとのことでしたから、是非、今度は時間に制限なくコミュニケーションしたいと思っています。
2017年11月18日
バッカラ(干タラ)作り
根強い人気のバッカラです。オーダーを入れていただいた分から順次作っています。良いもの作りますので、しばらくお待ちください。
真だらを捌いて水分抜きをしているところです。タラは非常に鮮度落ちが早い魚ですから、捌いたあとすぐに塩をして脱水します。これが鮮度が悪かったら脱水するまでにヌメリやハラスについた内臓が鮮度落ちした嫌な匂いがついてしまうのです。場合によっては腐敗します。
北海道の今の気温は2度~4度くらいですから、冷蔵庫へ入れる必要なく、セイロに入れ、工場に斜めに傾けながら広げて脱水します。
塩をしっかりして、一晩で一気に脱水します。余分な水分を速やかに抜くことによって、鮮度も保て、乾燥も速くなります。
お腹のところを見てください。鮮度が悪いと、身が溶けたようになり、内臓の色が付いたりしますが、きれいです。
水分がしっかり抜けたあと、キッチンペーパーで表面の水分を更に拭き取り、もう一度振り塩をして再度締めます。写真の中央あたり、水が出てきているのがわかります。ここまでくると、あまり水分は出ません。
このあと、乾燥室に丸一日入れ、更に自然乾燥で温度や湿度に気を配りながら1週間くらい干します。
日、一日、身も匂いも変化していきますので、造っている私たちも楽しいのですよ。良いもの出来てくれよと大切に大切に見ていきます。
2017年11月15
浜漬け料理用鮭トバ 醤油麹漬け鮭フィレ
幾度か試食と改善を繰り返してきた鮭トバも干す作業に入っています。週明けくらいには販売できる予定です。醤油麹から仕込んで作った甲斐がありました。自分たちが想像していた以上の仕上がりに、納得を越えて大満足という商品になりました。これ、ほんとに美味しいです。
また、作っている過程で思わぬ収穫もありました。干す前に焼いて食べてみたのです。これがまた想像を越えて美味しかったものですから、ちょっと驚きでした。商品開発の予定にはなく、想定外で生まれてきたものです。こうやって生まれたのが、「醤油麹漬け鮭フィレ」です。この商品も近日発売予定しています。
美味しいので、いずれも是非食べてみてほしい商品です。
醤油麹漬け鮭フィレは、干す工程を経ないので、醤油麹に漬けて脱水しただけで、通常みなさんが調理するとき、生の鮭を塩で少し〆て焼いたような柔らかい状態で仕上がります。平たく言えば、業界ではマグロなどで、「づけ(漬け)」という作業があるのですが、これは醤油麹づけになります。焼くと醤油麹の焼けた匂いと鮭の香りが相まって、最高に美味しくなります。
今回は、6人で試食しましたが、全員、美味しいと驚きました。
近々販売しますので、ご期待ください。
2017年11月14日
いつもお世話になり、ありがとうございます。さかなだマート(嘉楽)の代表、辻合です。
今日は、ちょっといつもとは違うメッセージをお送りさせていただきます。
近年、地球規模で、魚に限らず、資源枯渇問題が深刻になっています。水産という食資源に携わる私たちに出来ることは何か?と日々考えながら励んでおります。
従来の北海道は、資源に依存して経済が成り立っていましたが、近年は北海道も資源が非常に少なくなりつつあります。
私たちはすでに15年前からゆっくり資源が少なくなっている事に危機感を抱いており、まず、技術を持っている私たちに出来ることは、資源を余すことなく使い切るという活動だと考え励んできました。たこの軟骨やイカの軟骨など、使い方によっては非常に美味しい部分も開発して商品化する試みをしてきました。
魚の歩留まり率は、魚種にもよりますが、55%程度から75%くらいです。あとの45%~25%は臓器であったり、骨や軟骨です。これらの臓器や骨、軟骨は、一般のメーカーでは廃棄しているところがほとんどです。
今回、五臓六腑というコーナーを設けようと計画したり、アイヌの食文化を学んで化石燃料に頼らない食品を作れないか、骨の活用は出来ないかなど、いろいろ思考錯誤しております。また、お客様の仕事を考えれば、美味しさとの両立を図れなければ普及しないと考え、取り組んでいます。
また、事業規模の拡大も制限し、コンパクトで持続性の高い会社作りをしています。持続性を考えた時、私たちなりに、本来水産事業はこうあるべきという理想像を掲げ、食資源を大幅に減らす大量生産型には決して着手しない方針をとっております。あくまでも手作業、技術継承、品質重視の姿勢を終始一貫です。
今後、いろんな試みを形にしてまいりますが、例えば臓器の美味しい調理の仕方レシピなどがあれば教えていただければ幸いです。さかなだマートのお客様はプロの料理人がほとんどですから、情報をいただければ良い活動を広げていけると考えております。
先日、営業の内田と、プロ間で情報交換できるコーナーを作ることが出来れば良いだろうなと話しておりました。みなさまの経済活動と地球資源がWIN-WINの関係を保っていけるよう、今度とも努力してまいりますので、改めてご支援ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
2017年11月11日
新巻きを塩麹漬けと、ぬか塩漬けにしてテストしていましたが、どちらも納得できる商品が出来ました。
①塩麹が付いたまま焼く方法、②塩麹を洗い流して焼く食べ方、③ぬか漬け後ぬかを付けたまま干して、ぬかが付いたまま焼く方法、④ぬかを洗い流したあと数日干してから食べる方法と、4種類実験してました。
いやあ、これ、ちょっと困ったことになりました。5人で試食し、美味しいと思う順番を書いてもらったのですが、美味しい順番がみんな違うのですよ。笑
まあ、好みの問題なのでそれはそれで良いのですが、で、どうしてだろうといろいろ考えてみました。
①さかなだマートは個性豊かなスタッフが多い。
②さかなだマートは血液型が均等。これ、不思議なんですよ。A型、B型、AB型、O型と、同割で均等なんです。あまり血液型に関心がない私が、ある日なにかの話題でふと調べてみたら偶然だったのです。
③何と一緒に食べるかを想像していたのではないか? 例えばごはんのおかずに。また、お茶漬けに、ワインや日本酒のつまみにと・・。
④さかなだマートのスタッフは地元の人、地方の人、都会からも集まっていて、地域色が豊かだから。
⑤性別も2:3だったし・・。年齢差?いや、みんなそんなに離れてなくて、社長の私が56で最年長。あとは20代から40代まで。
う~ん・・。と、考えたあと、ちょっとみんなにヒアリングしましたが、いまひとつハッキリせず、結局は好みの問題だろで片付きました。笑
でも、みんな一様に言ったことは、結構甲乙つけ難かったとのことです。それに何と食べるかという想像で、このシーンならこれ、このシーンならあれと、やはりいろいろ想像していたとのことです。
最終的には、①塩麹が付いたまま焼く方法、②塩麹を洗い流して焼く食べ方、④ぬかを洗い流したあと数日干してから食べる方法の3種を選択できるようにしました。
ちなみに私は、お茶漬けなら①、ごはんのおかずや、おにぎりに入れるなら②か③と、その日のおなかの空き具合や気分で選ぶと思います。④はちょっとクセが強く、鮭自体の素材の風味が薄くなるのでやめることにしました。
明日、鮭フェアが始まりますので掲載しますが、ご予約をいただいていきます。(ただいま製造中の鮭もありますが、すぐには完成しないので。)
どうぞよろしくお願いいたします。
2017年11月08日
先週、隣町の大船遺跡に行ってきました。アイヌの歴史や文化を調べてますが、近くの縄文遺跡と関係があるのか調べに行ってきました。
ここへ足を運ぶのは3度目ですが、竪穴住居の構造は5000年前に作られたとは思えないほど上手く作られているので、いつも感心します。縄文時代中期の住居で5000年前から1000年前まで使われていたと推定されてます。また、石器、土器などの出土した遺物は18万点に及ぶと言われてます。
住居の中は地表よりも2メートル以上も掘り下げられています。カヤなどの草木で藁ぶき屋根のような屋根には中で焚火をしても煙が外へ出るようになています。当時は現在よりも温暖な気候でした。鯛やクジラ、マグロ、鹿、木の実、穀物とそれらを加工する石皿なども出土されているそうです。
動画は住居の骨組みです。大昔の人がこんな立派な家を建てて文化的な生活をしていたとは想像がつきませんでした。小高い丘に集落があるのですが、安全な場所に作られたようで、水害なども無かったのではと思います。
ちょっと薄暗いですが、住居の入り口から撮影しました。これが住居の中です。奥には火を焚くかまどのようなものが見えます。これが結構な広さなんですよ。6人~8人が住めるくらいの広さがあります。
謎の古代の住民はどこから来てどこへ行ったのでしょうね。縄文時代の人々とアイヌの関連性への探求はまだまだ続きます。
2017年11月02日
イカ醤油麹、イカ塩麹漬け
塩麹と醤油麹が出来たので、今朝から早速試作しました。いろいろ漬けてみたいのですが、その一つがイカです。
イカを開いてゴロ(肝)だけを残して塩麹に漬けてみました。少量の試作なので、ゴロの部分が盛り上がるのでキッチンペーパーを上から被せてその上からも米麹をかけています。
こちらは醤油麹漬けにしました。今回はどんな味になるのだろうと簡易に作っています。醤油麹は味も見た目も味噌のような感覚です。うまくいけば本格的に作りますが、その時は、大きなバットに醤油麹を敷いて、イカを並べ、醤油麹、イカと重ねて漬け込むことになると思います。
これらをどう使うのか、また、どこまでさかなだマートで作るのか思案中です。というのも、米麹を付けて真空包装し、そのまま提供して後は飲食店さんに好みの仕上げ(例えばもう少し寝かすなど)をしてもらえば、より店のオリジナリティを出せます。逆にこちらで完成させるときは、米を残すか濾すかも考えないといけません。
濾す場合もシノワで濾すか、キッチンペーパーを挟みながら漬け込んでいくか、検討しています。
中には米麹ごと焼く方法もあります。ただやってみないとわかりませんが、焦げやすいと聞いているので、こちらも調理してからの話しです。
調理法も沢山ありますので、今のところ麹を付けたまま提供したほうが良いのではと考えていますが、とにもかくにも試作を繰り返し繰り返し行うことになります。
こういう商品を作っていると昔にタイムスリップしたような感覚になります。江戸時代の職人が作る「本造り麹漬け」という風な古来からの伝統を引き継いだ生粋の手作りの職人と申しますか、薄暗い仕込み場で、感覚だけを頼りに造る、この道300年の伝統とか、樽や大きな桶が出てきそうなそんなイメージです。
もちろん!昔の職人に負けないよう気を入れて造るつもりです。経験で培った職人ならどうしただろう?とか、想像をめぐらせ旨いもの作りに精を出します。
また、添加物などは絶対に入れません。
ホッケやアイナメなど、いろんな魚で挑戦したいと思っていますが、まずは一つずつ丁寧に作ることを頭に置いて取り組みたいと気を入れてます。
2017年10月31日
寒くなってきました。昨日、今日と雪が降りました。裏の北海道駒ケ岳は4~5日前に冠雪しました。紅葉も大半は散り、いよいよ冬将軍の到来です。
先日、イカ漁師の様子を見に浜へ行くと、ちょうど知り合いの漁師が沖から帰ってきたところでした。「イカはどう?」と聞くと、「だめだべ、サバとニシンだ。サバは4トンくらい揚がって市場へ運んできたところだ。」と話していました。どうやら刺し網のようです。
イカはだめだべ。サバが大漁だ。と、知り合いの漁師、吉田さん。
奥の人は船頭の、こちらも吉田さん。だめだあと言いながらもニッコリ。
食うべか?と、自宅用にとっておいたニシンとサバをスーパーの袋、二袋満杯もらって帰りました。
上の写真はタコ箱です。浸けてあったタコ箱を引き上げてきて干している風景です。鹿部はタコ漁も盛んで、シーズンに入ると、一日3~5トン水揚げされます。
ちょっといい天気になったので、浜の様子を見がてらブラブラ散歩に出かけましたが、今日の夕食のための、ニシン、サバをゲットしました。
2017年10月27日
一作日、醤油麹と塩麹が完成しました。22日に撮影しましたが、その後変化が無かったので、22日で完成としています。約10日間かかりましたが、夏場だともう少し早く出来たのかなと思います。漬けた当初よりかなりとろみが出て、旨味が増したように思います。今は密閉容器に移し冷蔵保管中です。以前から自宅で作っていた社員から聞くところによると、冷蔵保管で半年くらい持つようです。これで完成ですので、次は鮭とば作りに取り掛かりたいと考えています。
美味しく出来上がりましたら販売しますので、また報告させていただきます。ただ、今はあまり量産できないので数量は限定になると思います。お客様からの評価が良ければ次回は量産できるように努めていきたいと思います。
醤油麹完成
塩麹完成
白粥みたいですね。
2017年10月20日
三夜干し鮭トバと醤油麹作りvol.3
三夜干し鮭トバを開発していますが、その前に醤油麹作りをしています。というのも、鮭を醤油麹に漬けこんでから三夜干ししたいと設計しているからです。
醤油麹は現在7日目ですが、かなりとろみが出てきたようです。
まず、醤油麹から仕込んでいますので、鮭トバの製造は一時休止しています。鮭トバについては、社長日記の10月6日、漁師風、三夜干し鮭とば試作中 vol.1よりご覧ください。
2017年10月19日
おさかな五臓六腑コーナー開設予定
現在、おさかな五臓六腑コーナーを設けたいと計画を進めています。魚の中には肝や胃、白子などがとても美味しいものがあります。
日本では生産性と流通事情で、こういった内臓を捨てているところがほとんどでした。
そこで、お客様にこういったコーナーを設けようか考えているのですがと伺ってみると、とても好評でした。
ぜひ欲しいと言われる方がほとんどで、探していたとおっしゃられる方も何件かありました。
飲食店で使いたいけど、肝料理をするために魚一匹まるごとを何匹も買えないし、かといって販売しているところもないしと、ほとんど諦めていたそうです。
私たちもそう大量に作れるわけではなく、コツコツと蓄えていかなければまとまった量が出来ないのですが、それでもせっかく良い食材であるのに使えず捨てるのはもったいないと思い、販売に踏み切りました。
内臓関係は、よほど鮮度が良くないと使えません。しかし私たちは漁師が水揚げしたばかりの魚を市場入札しているわけですから、出来るわけです。
魚資源も問題になりつつありますから、余すことなく使い、私たちに出来ることをしっかりやっていこうと、手間をかけることにしました。
あまり沢山出来るわけではありませんから、10㎏とか注文が入った時点で完売になることもあるかと思います。
諸々の事情ゆえ、その折はご容赦いただきたく思います。
また、ご予約をいただいても長く待っていただかないと出来なかったりしますので、予約も受け付けることは出来ません。
そんな事情のコーナーになりますが、オープンしましたら、ちょっと覗いてみてください。
コーナーのオープンまでしばらくかかりますが、開設できましたらご連絡させていただきます。
2017年10月18日
北海道の名付け親
昨日、三重県松阪市の商工会の方々が、遠方よりお見えになられました。
なんでも松阪市生誕200年ということで記念事業を行いたいとのことです。どうして北海道に関係があるの?とお思いになられることでしょう。
実は、北海道の名付け親は、松阪市の松浦武四郎という方だそうです。私もびっくりしました。まさか三重の方が北海道と命名したとは夢にも思わなかったからです。4名おいでになられたのですが、遠く離れた三重との距離が一気に縮まった気がしました。
どなたも気さくな方々で、会話がはずみましたが、北海道をアピールするより、むしろ私は松浦武四郎という人物が気になって仕方なかったのです。ですから、私のほうが質問攻めにしてしまって申し訳なかったなと反省していました。
この松浦さん、北海道へは8度来たそうですよ。しかも三重から歩いて・・、時には沖縄から歩いて来たとのことです。なんとすごいエネルギーの方だなと心底驚きました。
商工会の方々は、北海道の特徴ある食を探したり、文化交流が目的でおいでになられたそうですが、歴史的な重みがある記念事業ということなので、アイヌの食を再現した食文化的な事業も良いのではと、ご提案しました。
私もアイヌ食文化を研究してみたいとの意欲が高くなったので、少し歴史探訪をしてみるつもりです。アイヌ民族は、自然界に存在するものは全てカムイ(神)として崇めると聞いたことがあります。川のカムイ、山のカムイ、熊も鮭もみんなカムイなのです。
私も自然が大好きで、八百万の神(森羅万象あらゆるものに神が宿るという考え方)が存在すると考えています。アイヌ民族もそういった考えを持っていますから、いろいろ興味が尽きません。是非、アイヌの食を学んでみたいと思っています。そして作ってみて、三重にも紹介できればと考えています。
とても良いご縁をいただきました。ぜひ、またお会いしたいと思っています。
2017年10月16日
かご漁の漁具
下の写真は、えびや蟹の漁具です。かご漁と言い、ザルをひっくり返したような形です。上はバケツの底を抜いた形のようなものが付いていて、この入り口からエビや蟹が入るわけです。底も網になっていて、一旦入ると出ることが出来ません。
上の写真はかご漁の漁具
かごの上は、バケツの底を抜いた形のものが埋め込まれていて、かごを上ってきたエビや蟹がこのオレンジの入り口から入ります。一旦入ると出ることが出来ません。カゴは底も網になっています。
このカゴをロープにいくつも結わえて海に仕掛けられます。
2017年10月13日
塩麹と醤油麹作り
先日から塩麹と醤油麹作りを始めました。まずは三夜干し鮭トバを作るための醤油麹です。塩麹はホッケの一夜干しなどに使ってみたいと、同時に製造を始めました。
詳しくは、プロコーナー、私たちの技術のページに製造の様子を書いています。
2017年10月11日
漁師風、三夜干し鮭とば試作中 vol.2
先だってから試作している三夜干しの鮭トバですが、第一弾の試作品が出来て、スタッフ全員で味見しました。まずは出来上がりを見てください。
鮭をフィレにしたあと、縦に切って棒状にし、醤油ベースの漬け汁に数時間漬けこんで、その後3夜干した鮭トバです。みんなの試食の第一声は、めちゃくちゃ旨い!でした。ただ、ちょっと味が濃かったかなと。お茶漬けや、酒の肴、ごはんのお供にはいいんだけど、そのままむしゃむしゃと食べるには少し濃いという感想です。炙って焦げ目が付くと香ばしい食欲そそるいい匂いがしました。
通常鮭トバはおやつですが、この鮭トバは料理用です。長さは50cmくらいですが、好みの長さにカットして炭火で炙ったり、串に刺して炙ったりと、アレンジできるので、工夫次第で面白い料理になります。
今度は醤油麹に漬けて干してみます。完成まで時間がかかりますが、社長日記に掲載していきますね。
2017年10月11日
渓流釣り
先週の日曜日、釣り好きスタッフ三人と渓流に釣りに行ってきました。この時期、産卵のために遡上してくるアメマス狙いです。きれいな自然の中で釣りをしたあとは、すがすがしい感じの余韻があとあとまで気持ちいいんです。釣れなくても満足するんですよ。
下の写真は魚止めの滝で釣っているスタッフの内田君。
釣ったアメマスを脊椎だけを〆て、川に石で囲いをした中に帰りまで入れておきます。脊椎だけを〆ると魚は動かず生きているのです。川魚は海の魚より鮮度落ちが早いので、こうやって持って帰るまで生かしておきます。持って帰ってムニエル、塩焼きと魚三昧。最高の一日でした。
2017年10月6日
漁師風、三夜干し鮭とば試作中 vol.1
北海道は朝夕一段と冷えるようになりましたが、みなさんの方はいかがですか?季節の変わり目、体調を崩さないように気を付けてくださいね。
今年はマグロが大漁でした。そこへ久しぶりにスケソウダラが大漁と、ちょっと嬉しいことが続いてます。鹿部はタラコで有名な町です。タラコが沢山とれると町も活性するのですよ。
工場はもちろんのこと、雇用の機会も増え、銀行も飲食店もガソリンスタンドから自動車整備工場まで、町中の商いが活性化します。昨年の大時化被害からあまり良いニュースが無く、町が沈み込んでいたものですから、救われます。
やはり人が活性する事が一番ですね。
今日は、漁師町に伝わる鮭の干物を作りました。市販で鮭トバという商品がありますが、あそこまで乾燥させない製法です。鮭のフィレを作ってから、縦に包丁を入れて50cmくらいの棒状に身をカットします。
その後、酒、醤油、味醂を合わせて身を数時間漬けこみます。ほど良い漬け具合になったら今度は2夜~3夜干します。ちょっと麹醤油なんかを使って以前より進化させたいと思っています。
これが炙って食べると非常に美味しいのですよ。たまに自家用に作りますが、夜、こうやってメルマガを書いていて小腹が空いてきた時など、無性に食べたくなります。キッチンへ行ってオーブントースターの火を入れて熱くなったところへ放り込んでサッと炙るのですが、部屋中おいしい匂いが充満してきます。夜中に手軽に美味しいものをちょっと作れるって最高ですよね。
作るのに骨を抜いたり、カットが特殊なので、ちょっと手間がかかるのと、漬けこんで更に2夜から3夜干さなければいけないので、出来上がるまで時間と手間がかかりますが、でもやっぱり美味しい誘惑には勝てません。笑
実は今、商品化しようかどうか迷ってます。秋商材の製造で忙しいのですが、この時期にしか出来ないし、でもこれは是非ご紹介したいしと・・。醤油麹漬けが以前より美味しくできたらご紹介することにします。
串にするのもいいですよね。キャンプに持っていって炭火で炙るとか、お祭りや文化祭、イベント、屋台にもいいし、もちろん居酒屋でメニューにも使えます。いい匂いなので、お客様もついつい誘われて集まってくると思いますよ。
美味しいものはみんなに知ってもらって、ぜひ食べてもらいたいです。
まずはスタッフたちに食べてもらって、「めちゃくちゃ美味しい!」と、感動があればご案内します。私の大好物の一つなんですよ。しかし漁師たちは魚を美味しく食べる方法をよく知ってます。さすがです。
この干し物も漁師に教えてもらったんですよ。
来週の月曜日くらいに試食できるので、楽しみです。また感想をお伝えしますね。
2017年9月26日
ほっき貝テスト結果
以前からほっき貝のテストを行ってきました。テスト内容は、50度の温度に一分間漬けるのと、沸騰しているお湯にさっとくぐらせブランチングする方法の二種でした。
結論から申しますと、沸騰しているお湯にくぐらせるという方法がベストと判断しました。50度のお湯に1分間というテストでは、変化する仕込み量に対応し難く、また、少し生臭く感じたということもあって却下になりました。
例えば、50㎏を仕込むとなると、かなり膨大なお湯の量に漬けなければ、入れると同時に温度が急激に下がってしまいます。120Lの釜で行ったのですが、やはり急激に下がる温度に対応するのは至難の業でした。
もう片方の沸騰しているお湯にさっとくぐらせ、冷水に落とす方法ですと、そこそこの量を入れてブランチングしてもホッキ貝に影響が無く、また、色鮮やかになり、生臭みもありませんでした。
安定した品質で提供するとなると、後者に軍配が上がった次第です。
また、この方法ですと、お客様も解凍するだけで、別途下処理が必要なくなります。
商品は、活ホッキ、ホッキ片貝、ホッキむき身の三種類で販売したいと思います。準備が出来ましたらご案内させていただきたいと思います。
2017年9月26日
先だって、岐阜と福岡からお客様がわざわざ、さかなだマートにお越しくださいました。工場で、大きな活タコを捌いたり、浜をご案内していました。
北海道の秋の浜工場の仕事は、水揚げが沢山あると大忙しになりますので、1時間余しくらいしか時間が取れませんでした。もっとゆっくりお話ししたかったのですが、とても残念でした。
ただ、お二方ともとても喜んでくれたので救われました。是非また遊びがてら来てください。今度はゆっくりご案内させていただきます。いやあ、しかしどちらの方も遠方からフットワーク軽くおいでになるだけあって、魚への情熱は半端ではありませんでした。私も心から楽しめました。
最近、遠方から会社訪問してくださるお客様が増えています。自然以外に何もないところですが、みなさまも是非お越しください。事前にお電話いただいておきますと助かります。
鹿部町は、さかなだマートの工場から15分くらいのところに間欠泉公園があります。また、30分ほど車で走ると大沼公園があります。大沼公園はカナダの友人が遊びに来た時、まるでカナダだに居るみたいだと驚いていました。カナディアンカヌーなんか浮かべると絵になります。
函館から鹿部町までは1時間くらいです。鹿部町へ来る途中、大沼公園がありますので、時間があれば、ちょっと観光されてから来られても良いと思います。
大沼公園の風景写真を載せておきますね。
大沼公園。後ろは駒ケ岳
冬には白鳥も飛来します。
朝の大沼公園です。初秋の大沼で、水温が高く、気温が下がると朝モヤが立ちます。
2017年9月16日
ホッキ貝新商品開発テスト
台風には参りますね。被害も出ますし、ご商売にも影響が出ていると思います。3連休、飲食店やイベント企画を組んでいる方々は集客に大きな影響を及ぼしていることと思います。月曜日には北海道を通過するので、市場も時化で休みになりそうです。漁師は船が流されたり陸に打ち上げられないように浜で大忙しです。
一昨年から大時化が頻繁に起きるようになり、漁師は、ほたて貝や昆布が流されたりして不漁続きですが、少しうつむき加減で、「自然には勝てねえ」と言います。
さて。昨年からホッキ貝の商品開発に取り組んでいます。生きたホッキ貝から作る、むき身瞬間冷凍と、殻付き片貝を商品化しようと改良を重ねています。殻付き片貝については昨年販売開始したのですが、今回は更なる改良版になります。
学名はウバガイ(姥貝)で、北海道ではホッキ貝(北寄貝)と呼ばれています。ホッキ貝は北海道が産地なので、ホッキ貝のほうが一般的ですかね。
噴火湾はホッキ貝のメッカでもあるんですよ。前浜の鹿部でも八雲でも水揚げされます。中でも八雲の黒ホッキ貝は有名です。
ホッキ貝は砂が多いので、水槽で砂をよく吐かせてから使います。また、ホッキ貝は生きたまま冷凍すると、解凍時、たんぱく質分解酵素が働いて、身が融けたり薄くなったりします。
そこで今回のテストは、限りなく生に近く仕上げるために、50度の温度に1分間漬けて、たんぱく質分解酵素を止める方法と、沸騰しているお湯にさっとくぐらせる方法をテストしています。前者は火が入らず色も生のままです。後者は表面に火が入りますが、色が赤くなり鮮やかになります。
今、いずれもをテストしているところです。味にも影響が現れると思いますので、またテスト結果をご案内したいと思います。
2017年9月11日
農家探索
昨日、自宅用にいつも買う森町の農家に立ち寄ってきました。おもちゃカボチャを沢山作っているので、毎年この時期になると立ち寄るのですよ。ちょっと写真を見てください。
大きなカボチャでしょ。これ、ハロウィンに飾りで面白いですよね。右上の棚に乗っている黄色いカボチャでも普通のカボチャより一回り大きいんですよ。下手前のかぼちゃ・・超特大です。ハロウィン用にご案内しようかなと思案中です。
ハウスで赤カブも作ってます。
これはプチトマトです。
岩谷農園さんの広大な農地です。こんな農地がいくつもあるんですよ。後ろの山が駒ヶ岳。360度、全て形が違って見えます。森町から見る駒ヶ岳が一番美しいかな。
森町は、かぼちゃで有名です。またプルーンや先日ご案内したブルーベリー農園もあり、いろんな農作物が沢山あります。岩谷農園さんも、ジャガイモ、スイカ、かぼちゃ、トウモロコシ、トマトなど、沢山の品種を作ってます。私は農作物についての知識は少ないのですが、美味しいので通りかかったらいつも買って帰ってくるのですよ。
そうそう、下のトウモロコシ、なんだと思いますか?
ホワイトショコラという品種だそうです。ピュアホワイトだと思ったのですが、どうやらピュアホワイトを更に品種改良したトウモロコシだそうです。探求心の強い私は、早速数本買って家で食べてみました。
「えっ?」これがトウモロコシ??と、びっくりするくらい甘いのです!思わず「あ!」と声が出ました。笑 糖度が16あるらしく、まるで甘いフルーツのようでした。
これはすごいわ・・。
いやはや、地元でありながら、魚ばかりに目を奪われてたので、農作物はこれから探索です。道南はインターネット販売していないところが多いので、いろいろ発掘して情報を集めてきますね。
2017年9月04日
ブリ、ドレスの熟成結果
8月30日に水揚げしたブリ、ドレス(頭、内臓無し)の熟成結果です。今日で熟成5日目でしたが、結論から言うと、予想以上に良い出来でした。酸味も8割方無くなり、脂の旨みも予想以上に熟成して美味でした。
上の写真は、頭、内臓無し状態のブリを2枚に卸したものです。上側の身に付いている骨を外すと3枚卸になります。空気に触れていたお腹あたりが一部変色しています。ただ、卸した切り口に変色はありません。
先ほどのブリからカマを切り取り、フィレを更に中央で縦にカットして5枚卸にしました。変色した部分を取り除くと綺麗な色のフィレになりました。変色した部分は皮一枚で取り除いたため、歩留まりはほぼ計算に入れなくて良いくらいです。
※歩留まりとは、例えば原魚から頭や内臓、骨、皮など取り除いて最終仕上がった重量との比率。原魚が1kgで、最終仕上がりが600gであれば、6割となります。原魚を500円/kgで買った場合、6割だと、最終仕上がりのフィレは、500÷0.6=833円/kgとなります。
この状態で、エアブラスト急速冷凍機にかけ、超急速冷凍します。凍ったら、酸化を防ぐため、真空包装します。
飲食店に着いたら、解凍しますが、さかなだマートで5日間熟成していますから、この解凍した日から6日目、7日目とカウントすれば良いでしょう。原魚に近いドレス状態を冷凍保管するのは難しいと言われる方も居られるでしょうから、この大きさまでコンパクトに仕上げておくと、ほぼ大丈夫だと思います。
2017年9月02日
ブリの熟成結果
今、8月30日に30本近く入札したブリの熟成を作っています。
前回のテストでは水揚げから8日目まで1日ごとに試食しました。日を追うごとに酸味が消え、まろやかさと旨みが乗り、深みが出ました。柵にしてキッチンペーパーにくるんで、1度の温度でテストしました。4日目に若干変色があり、6日目から表面変色が急速に始まり、変色した表面を削ぎ落し、綺麗な色の部分を味見するという方法です。
熟成6日目のブリ
4日目くらいから旨みが急速に増し始め、身質は若干柔らかくなります。ただ、それでも寿司ネタに使うには少し硬めかなという身質です。その後も少しずつ旨みが増し、酸味がかなり消えていくのですが、驚いたのは8日目の味でした。7日目の味とは違い、ここまで寝かせて「熟成」なんだというような、熟成特有(魚の熟成はこうではないかという推測)の味に変化したのです。
温度管理と湿度管理がしっかりしていないとここまで寝かせることは出来ないと思います。また、ラップに包んで寝かせるよりも、キッチンペーパーでくるんで日々取り換えながら、素材を呼吸させながら寝かせたほうが良いと感じました。
また、酸化した余分な水分を吸収しながら寝かせることによって、酸化の嫌味が身に沁み込みません。もう一つの利点は、ゆっくり水分を蒸発させてくれるので、魚の腰を保つことができ、旨みも増します。これは一夜干しの原理ですね。
そして今回作っているのは、ドレス状態(頭、内臓除去)で寝かせる方法です。これですと、柵より身を削ぐ量が少なくなるからです。(空気に触れる表面積が少なくなる)。
今日で3日目、月曜日(5日目)にフィレにする予定です。ドレス状態ですと、飲食店で寝かせるにはあまりにもスペースが大きくなり難しくなりますので、さかなだマートのほうで5日目まで熟成し、フィレにカットしてその後飲食店の冷蔵庫で寝かせることが出来るようにしています。どれくらい寝かせるかは、各店の好みにもよると思いますので。
良い状態で出来上がれば、週明けには販売したいと思っています。
2017年8月30日
ブルーベーリー農園
いつもお世話になっております。そろそろ北海道は肌寒くなってきました。もうしばらくすると紅葉が始まりそうです。
先日、隣町の森町というところのブルーベーリー農園に行ってきました。7月中旬頃から8月末頃まで収穫をしています。25種類ほど品種があって、ブルーベリー狩りをさせてくれるのです。
食べ比べをしてましたが、数ある品種の中でも、コリンズという品種がとても甘く驚きました。
ヌプリファームの澁谷さん
ご主人の澁谷さんですが、気が良く、品種のことや収穫のことなど、丁寧にいろいろ教えてくれました。
いろいろ食べ比べてみたが、それぞれ味が違い、大きい実ほど甘味がある
摘み方を教えてくれる澁谷さん
各々の木に品種名を書いた札を付けてある
今年初めて農園に行きましたが、収穫も終わり頃だったので、来年は収穫が始まる頃に何度か足を運んで収穫したブルーベリーで、ジャムやソースなどいろいろ作ってみたいと思っています。
2017年8月22日
ブリの長期熟成
ブリが沢山揚がってきてます。一昨年からブリの製造を始め、年々、高度なフィレを作ったり熟成へと研究を進めています。
最近取り組んでいるテーマは熟成でして、昨年より大きく本腰を上げて取り組んでいます。水揚げされた市場から工場へ運び込まれるまでの保冷は非常に良好ですから、工場のまな板の上で加工する間も品質を維持して、適切な温度の保冷庫へ入れ、いつまで寝かせることが出来るか実験しています。
品質を保持することは簡単なことですが、手間がかかって出来ないという工場がほとんどだと思います。品質よりも量産して安く販売するというメーカーが大半を占めてます。
私たちはあくまでも理想への挑戦です。品質が最高でリーズナブル。どちらかを犠牲にするのではなく、いずれも満たすために挑戦しています。例えばブリが50本、工場へ運びこまれました。それを一度に加工台のテーブルに上げるのではなく、保冷したまま1本1本取り出し、1本処理したらすぐに保冷庫へと、1本1本運びます。
それだけでも加工途中で温度を上げることなく、長期熟成に耐え得る品質の魚ができるのです。
今、保冷熟成をしているブリは既に5日目です。黒変化や変色は、大きな変化が見受けれないほど(若干変色有り)安定した色で熟成できています。
行程のどこかで温度が高くなるような処理の仕方だとこうはいきません。もし温度を高めてしまったブリを7日間熟成させたなら、変色した身をそぎ落とす時、かなり大きくそぎ落とさなければいけません。これだけでコストが大きく跳ね上がるのです。
丁寧に作れば品質もコストもついてくる。これが私たちの求めている答えです。良い商品を安価にて提供するための実験をどんどん実践していきたいと考えています。
テストに次ぐテストを繰り返して、良い商品が出来ましたらお客様にご案内させていただこうと考えています。
ブリの長期熟成により出来た商品、楽しみにしていてください。
2017年8月22日
マンボウ
今日は、前浜の鹿部でマンボウが水揚げされました。漁師さんが身と脂と腸に分けてセリに出していたのを入札しました。鮮度落ちが早いので、早速下処理して冷凍しました。マンボウの肝和えは漁師さんが非常に好む食べ方です。
調理法もいろいろあり、辛子酢味噌と肝を和えて身に付けて食べる酢味噌和え、肝和えの他に、身の天ぷら、腸の塩焼き、肝醤油を付けてと、地方によってさまざまです。
マンボウの肝
肝は大きく、脂がすごい。身が淡泊なので合わせて食べると相性が合うのが良くわかる。
マンボウの腸
腸は切り開いて内部を洗浄します。左側の太い部分が胃だろうか、いくら洗浄しても、胃酸のような匂いが染みついて取れないので捨てた。
マンボウの身
マンボウの身は淡泊で脂がほとんどありません。
2017年8月18日
珍客来たる
お盆はいかがお過ごしでしたか?
私は家の模様替えに3日間費やし、どこにも遊びに行けませんでした。今年の夏こそはカヌーを買って近くの大沼公園に浮かべて探検に行きたかったのですが、残念ながら溜まりに溜まっていた家の雑用にかかりきりでした。
若い頃からアウトドアが好きで、昔はよくカナディアンカヌーで川下りや湖探索などで遊んでいたんですよ。趣味は多彩で、モトクロスレースに参戦したり、キャンプは毎週の如く行っていましたし、ほんと、まるで野生人でした。笑
キャンプは撮影で山籠りする目的があったのでキャンプ場ではなくてほとんど山の中でした。当時30歳頃、絶滅危惧種の鳥や動物撮影に興味を持っていて、毎週山に入ってテントをブラインド替わりにして撮影していたんですよ。その様子を当時、アメリカのフィールド雑誌に掲載してもらったりもしていました。
桜の名所吉野の山生まれなので、30歳後半までは遊びのフィールドは大峰山や吉野川だったのですが、30歳後半に北海道に移住して今度は海がフィールドになりました。現在56歳ですが、人生の半分は山で、半分は海というちょっと変わった人生を送ってます。ただ、ここは背に山があり、眼前に海があるというサスティナブルな環境を感じることが出来るのでとても気に入っています。年間、ほとんど海外に居たという時期もあったのですが、ここで人生の最後まで居たいと思っているのですよ。
そうそう、昨日、珍客が我が家にやってきました。カブトムシのメスです。
クワガタは毎年夏になると数匹やってきますが、カブトムシは初めてです。角が無いのでメスです。
はちみつを水で溶いてくるんだティッシュに吸わせてあげたところ、1時間ほど吸っていました。籠にも入れず玄関に放置していたので、今朝もう山に帰っただろうと見たところ、なんと、まだ居座っていました。
元気なカブトムシなので、飛んでいくことも出来ただろうに、余程蜜が気に入ったのでしょうか。
さてと、今日はお盆明けで仕込みがいろいろありますので、そろそろ現場に戻ります。
明日は、前浜、鹿部の花火大会です。目の前100メートル先の防波堤から打ち上げられる花火は壮観です。毎年心待ちにしてるんですよ。
2017年8月4日
初物の秋鮭が鹿部漁港で水揚げされました。
6本ばかりで、少し早い水揚げですが、早めに揚がる鮭は身質が良いので高値が付きます。
フィレに加工して、また来週にでもラインにてご案内したいと思います。
前浜で水揚げされる鮭は、道東産と比較して脂こそ少な目ですが、なんと言っても揚がりたてからフィレの商品を作ることが出来るので、鮮度と
身質は最高のものが出来ます。
他では出来ない技術を使って作れるものですから、非常に人気が高い商品でした。
人気が高い商品でしたと、過去形で書いたのは、ここ数年、あまり作ることが出来なかったからです。
鹿部漁港でも水揚げはあったのですが、大謀網(定置網)にかかった鮭を高値で入札される他の地域に運んでいたので、ここ数年、鹿部では手に入れることが
出来ませんでした。
私たちが使う技術は、揚がりたての鮭でなければ意味が無くなりますので、作れなかったということが理由です。
みなさん、鮭で、歯ごたえのある刺身にお目にかかった事はないと思いますが、そんな極上の身質を作れるのが、さかなだマートの技術なのです。
それには、死後硬直前の鮭でなければ出来ないので、目の前の海から水揚げされた鮭でなければ作れないというワケなんです。
鮮度が一級でなければ出来ないのですね。
ただ、今年は隣町の大謀網から鮭を仕入れることが出来るようになったのです。ですから、久しぶりにあの鮭フィレを量産し、ご案内できるかもしれないと言うことなんです。
どうぞご期待ください。
2017年8月1日
北海たこフェアが7月末を持って盛況のうちに終了しました。多くの方々にお使いいただき心から感謝しております。今年は例年よりタコが少ない年でした。また、漁師が昆布漁を短期間で終わらせてしまいたいとのこともあり、あまりタコ漁に出ませんでした。昨年、昆布が大時化で大量に流されたこともあり、悪天候で流されないように、短期間で終わらせたかったという事もあるのでしょう。
たこは持続性ある資源ですから、そう簡単に資源枯渇には至らないと思います。生態系の頂点に居ながら沢山産卵します。さかなだマートを立ち上げて20年近くなりますが、激減したという経験はありません。
さかなだマートのブライン凍結のタコは、中まで火を通さず表面だけをボイルするものです。この商品は活だこからのみ作ることが出来、北海道でさかなだマートが最初に作った刺身用タコです。表面がそれほど赤くないのは、あまり火を通さないからです。また、着色料など添加物を一切使用しないので、ナチュラルな色で仕上がっています。
元気な活だこを使いますので、表面だけをボイルして冷水に落としても、まだかすかに動くくらいです。それをマイナス65度の液体凍結で瞬時に冷凍しますから、活だこを勧めてもお客様は、「活だこを使う意味がわからない」と返答が返ってくるくらいです。それまでの冷凍の概念を壊した、さかなだマートの北海たこは、活だこと同等の扱いをしていただければと思います。
今後も末永くご利用いただけますようお願いいたします。
ありがとうございました。
2017年6月29日
根拠を見出す
新入社員が入社したので、今日は魚の体の構造を実際捌きながら教えていました。魚は血が問題となるケースが多くなるので、特に血管と、血液が体内を流れるプロセスを見せました。心臓の構造や、エラを通っている動脈、内臓に入る動脈と脊椎を通る動脈など、どのように血管が張り巡らされていて、どういった流れをしているのか理解させておきたかったのです。
そうすることによって、なぜ、その位置を〆るのかなど、根拠が明確になるからです。実は私の息子なんです。東京の二つ星レストランで修業して、本人の希望で北海道嘉楽(さかなだマート)に入社しました。魚に興味津々で、一生懸命学んでいるところです。
なかなかレストランでは学べないことが沢山ありますので、日々驚きの連続のようです。全てに根拠が存在しますので、徹底して、なぜそうするのか?を考えさせています。また、やはり仕事で求めるべきは生産性ですから、段取りや効率も併せて考えさせています。
「今やっていることを疑え」が私の口癖でして、固定観念に捉われず、物の見方の角度も違う方向から見させます。勉強は魚だけではなく、生物学、生態学、解剖学や医学、海洋学などを学ばせています。
なぜ医学なのかと不思議に思われるでしょうが、活〆にするときや血抜きをする時に、必ず心臓や動脈、静脈、エラから酸素を取り込む仕組みなどの知識が必要になり、そういった知識は医学から学べることが多いからです。感覚や経験は大事ですが、やはりそこに根拠を探す意識がなければ本当に知ったとは言えないと思うのです。
まだ25歳と若いものですから、お金はまだまだ残さなくていい、自分に投資しろと教えています。本人もその気で、早速包丁を数本揃えていました。包丁は歴史が深いものですから、長い年月の間に思考が洗練されて反映された、完成に近いものだと思うのです。
包丁の形状からどう研げばいいかを考えさせ、どのような使い方をすれば良いのかを考えさせます。包丁はシンプルなものですが、複雑なプロセスを経てシンプル化された人間の知恵の結集だと思うのです。部分部分の形状がなぜそういう形状になっているかを見抜くことが出来れば、あらゆる事を自立して思考できるようになると考えています。
研ぎ方という知識ではなく、包丁がこう研いでほしいと語っている声を聞くことが出来れば、私たちの基準ではプロだと思うのです。
特に和包丁は種類も多く、形状もさまざまです。洋包丁との違いを明確に理解できれば、文化の違いや国民性の違いもわかります。日本独特の文化や国民性は刃物によく表れていると思います。
今まで築いてきてくれた先人の知恵だけに依存せず、自分も何かを発見して後世に残せる仕事ができるようになってほしいと思うのです。
2017年6月19日
活け締めテスト
早速、活けのヒラメが揚がってきたので、神経締めまでして、依頼いただいていた常連さんに送ってみましたが、鮮度も良く、身もきれいで美味しいと評価いただきました。
今回活け締めにして送ったヒラメです。
https://www.youtube.com/watch?v=TItPgHFLTYM
捌いた写真を送っていただいたので、どういう状態かを確認させていただきました。
技術の高い飲食店様で、5枚おろしの状態で撮影してくれていたのですが、非常にきれいに捌いておられました。
極力、身に傷をつけたくないので、頭から目打ちのようなもので脳死させて脳から脊椎に繋がっている神経を締めました。脳を締めた段階で水槽に戻し、エラから動脈を切り、血抜きをしてから神経締めしました。
写真からすると、成功していたようですが、もう少し毛細血管まで血抜きが出来ればと考えてます。
生きたままそう沢山水揚げされるわけではないので、水揚げ予約待ちになると思いますが、コーナーが出来ましたらお知らせします。
また、今後、三次加工も開発していこうと考えてます。
さかなだマートもオープンから早や13年目に入りました。
そろそろ素材だけではなく、3次加工にも力を入れていきたいと考えてます。
理由は2つありまして、
①飲食店の現場で加工する労力を省けるようにするということと、
②魚のいろんな食べ方を提案したいということ。
この2点を実現したいと思ってます。
飲食店に限らずですが、労働力不足を補うには、私たち工場が出来ることがもっとあるのではと思うのです。
また、浜の工場でなければ出来ないこともありますので、そういった商品を紹介してゆければと思ってます。
あまり知られていない料理では、例えば宗八がれいの昆布締めなんかもその一つです。
絶品の味わいですが、余程鮮度が良くなければ作れないものですから、これはやはり浜の工場で水揚げされたばかりの魚で作るべきと思うのです。
こういった魚も紹介してまいりますので、ご期待ください。
2017年6月12日
活け締め鮮魚送り
沢山の方にさかなだマート会員登録いただいております。心からお礼申し上げます。本来なら一軒一軒ご挨拶に伺わなければいけないところ大変恐縮に思っております。今後とも末永くご愛顧くだされば幸いです。
さて、これからになりましたが、活締め鮮魚送りのコーナーを作ろうかと考えています。前浜で活魚も水揚げされるものですから、以前からお問い合わせも頂いておりましたことですし、始めてみたいと検討しています。
活締めの良いところは、冷やすことと合わせて、鮮度落ちを遅らせることが出来ることです。また、血抜きをして、神経締めまでして身質を保持できれば良いと考えています。
※但し、アニサキスをご存知かお伺いして、ご存知の方のみに限定してお届けしたいと思います。冷凍や焼きでは問題ありませんが、鮮魚となるときちんとした知識が必要です。
早速、今日はヒラメの脳の位置と、神経経路を再確認していました。多くの魚がそうですが、頭の中に空洞があり、軟骨で脳を守っており、そこから中骨の上に神経が通る小さなトンネルがあります。その中をピアノ線など細いものを通して神経を破壊するわけです。神経を殺すことによって、筋肉に乳酸が溜まることを防ぎます。
極力、身に傷を付けないように締めたいと思います。
あとは保冷と、最短で届く便で送りたいと考えています。また、締めた時間もお伝えできれば良いと考えています。同じやるのであれば、更に良い方法が無いかも研究してまいりたいと思います。
私は魚を知るために医学なども参考にします。心臓から動脈を通ってエラの毛細血管に入り、中骨を通って、身に枝分かれする毛細血管、そして戻ってくる静脈から内臓へ血管が通り、心臓を通過して再びエラへと、魚体内に流れる血管の構造も学びました。また、魚の心臓の弁なども調べたりして構造から理論を組み立てます。
そういった研究をしていると、魚種によって内臓の位置や脳の位置が違ったりして、魚は本当に奥が深いと常々思います。
まだまだ死ぬまで勉強だなと思うのです。
歌舞伎役者として初めて文化勲章を受章された、6代目、尾上菊五郎の辞世の句「まだ足りぬ 踊り踊りてあの世まで」が好きなんですよ。
2017年6月5日
さかなだマートリニューアルオープンのご説明
さかなだマートがオープンして12年経ちますが、今回で5回目のリニューアルとなりました。今回の改善点や新しい機能、サービスは下記の通りとなります。
①会員登録するとポイントが付きます。溜まったポイントはお買い上げ時にお使いいただけます。
②httpsで始まる、セキュリティの強化を行いました。SSL/TLSプロトコルを用いて、サーバの認証・通信内容の暗号化・改竄検出などを行います。
③従来、商品が探し難いとの声に応えて、商品一覧ページを設けました。魚や貝の全商品を一堂に見ることが出来るページです。
④サイトデザインの一部変更。
⑤さかならクラブを開設しました。プロの方も一般の方も買うことが出来ます。一般では手に入らないような特別な商品をご案内しています。
⑥カートシステムを見やすく使いやすくしました。
主な変更点は以上です。他、細かいところ数点見直しを図りましたが、割愛させていただきます。
見やすく、使いやすくを目的として、また、お得なポイントシステムを導入したことが今回の大きな変更点です。今後もみなさまのお役に立てるサイト運営を心掛けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。もうしばらくでオープンしますので、ご期待ください。
さかなだマート 辻合明男
2017年5月19日
新商品開発 刺身用、黒そいフィレ
さかなだマートの辻合です。いつもお世話になっております。
刺身用の黒そいフィレを開発中です。以前、刺身用で何かおもしろい魚がないかと探しておられたお客様に、前浜で捕れる黒そいのフィレを作ったところ、これがお店で人気になって、もっと作ってくれないかと依頼がありました。
活の状態で浜に水揚げされるので、〆て一晩寝かせてから刺身用に3枚にしています。ただ、これがすごく捌きにくい魚なんですよ。背びれに大きなトゲが何本も、エラにもトゲがありと、たくさんトゲがあるので、余程気を付けて捌かないとトゲに刺されてしまうのです。しかも生きてるものですから、〆ようと掴んだ瞬間にバタバタバタ・・。プス! いてててて・・・・。 と、まあ、こんな具合にゴム手袋を突き破って手に刺さってしまいます。またこれがあとあとまで痛いんですよねえ。
先日も10㎏ばかりフィレを作ったのですが、案の定3か所刺されてしまいました。コツを覚えるまでちょっとかかりそうです。実を言うと、ほんとうは新商品として公開するかどうか迷ったのですが、やっぱり美味しい魚とくれば黙ってるわけにはいかないのがさかなだマート!技術屋のDNAが騒ぐのでやらないわけにはいきませんでした。笑 まあ、そんな裏方ストーリーのある魚ですから、おいしくないワケがありません。
来週、月曜日にはLINEで先行販売しますので、まあ一度食べて見てみてください。これが冷凍??と驚かれますよ。
2017年5月18日
サファイアの目のキングサーモン
昨日、マスノスケが揚がりました。長年、浜の仕事をしていますが、実に3年ぶりにお目にかかります。それくらい希少な魚です。マスノスケは近海物キングサーモンのことで、数が少ない上に、ちょうど私たちの前浜、北海道噴火湾辺りから太平洋へ出ていきますので、めったにお目にかかれないわけです。
しかも!更にその上に驚きがありました。なんと・・、目がブルーなんです。こんな目の魚は見たことがありません。サファイアを見てるかのようにすごく透明なブルーで、非常に綺麗です。写真を掲載しますので、見てくださいね。
極めて珍しいことを表現する時、bluemoonという言葉を使いますが、正にbluemoonなblueeyeです。
味は? もちろんこれ以上ない美味さです。
2017年5月09日
今日はニュースで魚のアニサキスが猛威をふるってると出ていました。さかなだマートの魚は一切心配無用です。アニサキスはマイナス20℃で24時間以上(中心部まで)凍結すると死滅しますが、さかなだマートではブライン凍結ですとマイナス65度、エアブラスト空冷式はマイナス30度です。
実は私たちが高品質冷凍を作ってきたのにはワケがありました。アニサキスは多くの魚に存在するものですから、工場を作った当初から冷凍技術を研究してきたのです。アニサキスの心配が要らず、高い品質の刺身を提供することが目的でした。
刺身用魚を鮮魚で出荷するのは危ないと業界にも投げかけてきましたが、当然最初から予想できたものなのですよ。
飲食店さんが生で欲しいと要望されるのでしょうが、アニサキスは寄生する魚によって姿を変えていく寄生虫です。中には目に見えないような小さな寄生虫が存在します。刺身用ほっけなども普通に鮮魚で出荷しているところもありますが、これはよく知らない人が扱うのは良くないですね。
私たちは手作業で寄生虫を取り除いて、尚且つ極低温冷凍しますから、100%問題ないのですが、寄生虫がどんな姿をしているのかわからない人が扱うとお客様に提供してしまいかねないのですよ。
研究所、水産関連の人たちみんな知ってたはずですが、今まで放置していたのには首をかしげてしまいます。
流通過程に於いて、扱い方を知らない人も居るということを想定しなければいけませんね。
2017年2月21日
5日前から新しい商品作りをしています。味噌で漬けて作る、いかごろの珍味です。ルイベにして食する料理ですが、解けても美味しい料理です。酒の肴として、また、解かしてご飯やお茶漬けにもよく合うと思います。アレンジ次第でいろんな料理に使えると思います。
塩をして一晩水分を抜いてから、味噌や味醂を合わせた調味料に3日漬けてみました。いよいよ4人で試食です。全員、旨い!と絶賛でしたが、まだ最高と決めてしまうには早いと思い、1日漬けた時点、2日間付けた時点とテストしてみることにしました。
熟成という意味ではこれくらいで合格だと思うのですが、もう少しフレッシュな味も試してみたかったのです。次回、味噌に漬けて1日目、2日目と試食してみたいと思います。
2017年02月20日
昨日、昨年秋に撮影した滝を撮ってきました。よく行く温泉の近くにあるので、カメラを持って行ってきました。山奥にあり、除雪していない道をかき分けかき分け行ったので、足腰が筋肉痛です。
以前、アメマスの滝のぼりを撮影した場所です。
2017年02月08日
いやあ、よく時化が続きます。そろそろサクラマスが動き始める季節なので、早く時化が収まってほしいですね。
さかなだマートのサイトリニューアルが少し遅れています。申し訳ございません。ポイント制を導入するのですが、システムエンジニアが少々手こずっているようです。いましばらくお待ちください。
ここ数年、北海道の魚全般に異変が起きていることは皆さまもニュースなどでご存知だと思います。特にイカとタラは水揚げ量が激減しています。原因は産卵が少なかったとの説と、魚種交代ではないかとの推測です。
産卵が少なかったのは魚自体が減ったからではないかと思いますので、ちょっと疑問に思われます。魚種交代は北海道の魚の種が例えばイカからイワシへと交代することを言うのですが、なぜ起きるかは定かではありません。
例えば食物連鎖では、生態系で言えばイカはイワシの上に位置しますから、イカが増えすぎたらイワシが減るように相関関係が考えられます。ですが、イカはイワシだけを食べてるわけではないので、イワシが減ったからと言ってイカが減ることはあまり考えられないような気がするのです。2008年のイカ水揚げ量ピーク以来、近年ははイカが減ってイワシが増えてきている状態です。これは成り立つと思うのですが、相変わらずイカは減り続けています。
私見ですが、生態系の中に人間を入れて考えないといけないのではと思っています。
例えば、2008年にイカ漁ピーク時は、浜値が100円代まで入札価格が落ちました。→安いので世界の市場が急激に拡大した。→市場が拡大するとイカは減る。→市場はすぐに縮小しないので、値が上がりながらも市場規模は維持しようとする。→どんどんイカが減る。
う~ん・・、確かなことは言えないのですが、生態系の頂点は人間ですから、そこの消費量と資源のバランスが崩れているのではないかと、そう推測を立ててみました。
まあ、こんな事で魚が減っている現状を自分なりに考えています。市場関係者の間では温暖化について触れてませんでしたが、実際はどうなんだろうねえ・・。ちょっと大胆な推測を立ててみましたが、海水温上昇により、イカは適温を探して沖へ沖へと低い海水温を求める。→近海では捕れなくなる。→あまり沖を通るようになると、イカ漁船は燃料が合わなくなり漁自体をやめることになる。→その分資源は増える。→大型漁船のみ豊漁になる。と。もしかしたら資源は増えているが、捕りに行けないだけではないか?と。
気になるのは、昨年、大型漁船の船凍イカの水揚げ量が例年より多く速かったと、市場関係者から聞いたことがきっかけでこういう推測を立てたのです。ちょっと想像が過ぎたかもしれませんが、まあ、勘みたいなものと思ってください。
え?当たる確率? う~ん・・経験からだと7割くらいですかねえ。
さてさて。そろそろ3年ものほたて貝も始まりますし、北海たこもスタートを切ります。豊漁を期待したいものです。
2017年01月05日
明けましておめでとうございます。
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年、道南は新春早々暖かい日が続きました。今日から寒波が来るようですが、まだそれほど寒くありません。
毎年恒例の温泉めぐりと初詣に行き、ちょっと気になっていたアウタージャケットを買いに行ってきました。北海道は外と家の寒暖の差が激しいので、意外と服選びは難しいなと思うんですよ。また、移動手段は車ですので、車の中は暖かく外は極寒だと頻繁に乗り降りする時に、上着を脱いだり着たりが結構たいへんなんです。
ですから、さっと着れるアウターや、薄くて暖かい新素材を選んでいます。私はアウトドアで着るマウンテンパーカーが多いです。他には着ぶくれしたようにならない暖かいダウンジャケットです。これだと車に乗った時もそのまま運転しやすいからです。インナーはフリース一枚、アウターはダウンジャケット一枚という感じです。比較的暖かい日だとフリース一枚で、寒い時はダウン一枚になり、ワカサギ釣りなんかのように外に長時間居る時は両方着ます。アンダーシャツ、インナーウエア、アウターと、三枚であらゆるフィールドやシチュエーションに対応できたらベストです。
これらで車の乗り降りや、長時間極寒に居るなど、全てを快適にと満たせるようにとなると、ダウンジャケットの質が結構大事なんです。全体が薄くて、ダウンが良質で暖かく、軽くて、ポケットのダウンの有無や、フードのフィット性、ポケットのチャックの開け閉めが容易であること、また、チャックは上から下へ開けるようになってるか、下から上へか、デザイン、色など云々・・。笑選ぶのにとても時間がかかってしまいます。そうこうして、これだと思って値札を見ると・・高っ・・。
いやあ・・一苦労です。笑 これで半日潰れてしまうこともあります。今年こそはベストなダウンをと買いに行きましたが、やっぱり案の定半日仕事でクタクタになっていまいました。やれやれ・・。
ただ、すごく気に入ったのがあったので、報われましたけどね。
まあ、そんなこんなで、日常とさして変わりない正月休みでした。みなさんはいかが過ごしておられましたか。