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社長日記(2013年)

2013年12月31日

さかなだマートの辻合です。

2013年もも残すところ一日となりました。みなさま、今年はどんな年でしたか。私は、いつもより時間が速く流れていくことを感じていました。来年は変化の激しい年になるのではないかと、今年から前準備をしていたせいもあるかもしれません。

時代がスピードを増しながら変化してゆく中で、食の未来の事を考えながら過ごしておりました。なかなか具体的な象は見えないのですが、それでもおぼろげながら感じることは沢山あります。特に食が果たすべき役割という意味に於いて、今までとは違う、新しい使命が必要とされるのではと感じます。

先だってもニュースで、子供たちの食アレルギーが年々増えていることや、社会の高齢化に伴って、健康面でも食の重要性を訴える放映がされていました。食に携わる者として、美味しいということは外せませんが、同時に医と食は同源であるという概念をしっかり心得て取り組んでいかなければいけないと感じていました。

より確かで安全、そして品質の良い海産物をお届けするというのはもちろんのこと、もっと健康面に於いても勉強し、みなさまに有益な情報と商品を提供してまいりたいと考えています。

また、来年は消費税が上がる年でもあります。既存の商品だけではなく、まだあまり流通していない安価な食材なども開拓し、みなさまの後方支援に務めてまいりたいと思います。

2013年、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それではみなさま、良いお年をお迎えください。

 

有限会社 嘉楽(さかなだマート)

代表 辻合 明男

 

2013年12月12日

イカの浸透圧テスト

函館で水揚げされるイカの浸透圧をテストしました。まずは写真をご覧ください。

イカの浸透圧

実験は、細胞レベルで生きているイカを真水、薄い塩水(約1%)、海水より少し薄めの塩水(2.2%)とそれぞれ塩分濃度を変えて1尾ずつ浸けておきました。一尾あたりの重量や鮮度は同じです。写真は浸けてから5分後のそれぞれのイカです。撮影用に水から出してアルミバットに入れています。上から真水に浸けておいたイカ、その下は薄めの塩水、下は、海水より若干薄めの塩水に入れておいたイカです。

上のイカはすでに水を吸って白っぽくなっています。その下は一見まだ大丈夫に見えますが、若干白っぽい曇りが入ってきています。一番下は、海水より少し薄めの塩水に浸けてあったイカですが、入れた時とほとんど状態が変わりません。

さて、1時間後の状態が下の写真です。

浸透圧テスト

イカの浸透圧テスト

左が、塩水2.2%の濃度に浸けてあったイカ。中央が1%塩分濃度の塩水に浸けてあったイカ。そして右が真水に浸けてあったイカです。右は水を吸ってほぼ白くなっています。左はほとんど状態に変化が見られません。

水は、薄い液体から濃い液体へと移動します。右のイカはイカの体内の浸透圧が高いので、真水が体内に移動したということです。中央は少しの違いですので、右側のイカよりも、外からの水の移動が遅くなりました。そして左側はイカの浸透圧と水の浸透圧が一致したため、液体の移動が起きなかったということです。これでイカは真水で洗ってはいけないという事がよくわかると思います。

ちなみに、6時間後にも見てみましたが、左のイカはほとんど状態に変化が見られませんでした。右の二尾はほとんど真っ白でした。

試食もしてみましたが、右は元々270gの重量が330gになっており、60gの水を吸ったためか、水っぽくて味がありませんでした。もちろん左端のイカは甘みも旨味も食感も良く、非常に美味でした。重量も最初に計測した270gそのままでした。中央は270gから300gまで増えていました。

今後、いろんな魚の浸透圧テストをしてみたいと考えています。ある根拠のもと、魚それぞれ浸透圧が違うのではという仮説を立てています。

テストが出来ましたら、また報告を書きたいと思います。

2013年12月10日

いつもお世話になっております。辻合です。

社長も3週間ぶりですね。多忙になりますと、あっと言う間に時間が過ぎます。多忙になりますと、ついつい作業に没頭してしまいがちになりますので、意識して思考するように心がけています。

そんなことで今日は、目の前の作業や流れに流されないよう、既存の商品に改良の余地が無いかなど、振り返っていました。今、特に気になるのは、魚の浸透圧のことです。生きている魚はエラで海水の塩分が体内に余計に入らない様調節しているのですが、(排尿で調節しているという説もあります。ここも曖昧な点です。)エラ、内臓を除去して、なおかつ細胞が生きている時の身の浸透圧、また、細胞も死んだ時の浸透圧と、この三点を調べてみたいと考えています。

この三点が、加工時にとても大切だと感じています。身が真水を吸うと水っぽくなるので、それぞれの状態の時に、最も適した水を使いたいからです。全く体内から流出しない、また、体外から流入しない状態を作ることによって、出来ることが沢山あるからです。年末の慌ただしい時期が過ぎたら、こういった問題に取り組みたいと考えていました。

もう一点、冷凍による軟化現象はなぜ起きるのかも研究してみたいですね。まあ、この軟化現象は、考え方によっては、調理法として使える事もあるんですけどね。例えば、たこの柔らか煮などは良い例です。長時間煮る事によってたこの旨みが水分に奪われてしまうのを防ぐため、別の方法で柔らかくできれば、旨味があるのに柔らかいたこが出来ます。こういった時に軟化現象を利用できるのです。但し、あまり緩慢冷凍すると、その時点でドリップが流出してしまいますので、何度の温度で冷凍するかが問題ですが。

どうも水産業界はこういった取り組みが少ないように思うのです。ですから、逆に言いますと、未開拓のチャンスが沢山眠っているということなんです。既成概念に捉われず、固定観念に縛られず、いつも柔軟に思考していきたいと思います。

光りあるところには影があります。影があるところには光があるということですから、影を見つけたら光を探す意識を持てば良いのだと思うのです。イノベーションはそんな視点から生まれてくると思います。

2013年11月19日

本日、午後6時10分から7時までの番組、NHKネットワークニュース北海道で、「究極冷凍で新鮮な魚を」というテーマで、さかなだマートの冷凍技術と魚の目利きが紹介されました。刺身用ほっけが最も旨味が高くなり、歯ごたえもしっかりしている時点で瞬間冷凍するシーンや、包丁で捌くシーン、浜市場のシーンなど、たくさん放映されました。

魚の死後、アデノシン三リン酸がイノシン酸という旨味成分に分解し、旨味が最高潮に達した時、マイナス55度のブライン凍結機にかけ、瞬間冷凍するシーンです。魚は鮮度が良すぎると歯ごたえは良いのですが、旨味があまりありません。また、旨味を求めると歯ごたえが落ちます。しかし、その相反する現象も、両方兼ね備える交差する地点があります。その時点を見極め、瞬間冷凍しますが、そこにフォーカスを当てての放映でした。

2013年11月11日

いつもお世話になり、ありがとうございます。

社長日記、ちょっとご無沙汰していました。

今日は朝から雪が結構降りました。気温もぐっと下がったので、神奈川からお越しになられていたお客さまも、その寒さに驚かれていました。浜市場の魚をご覧になりたかったそうでしたが、船が出ておらず、漁が無かったので、少し残念でした。

さかなだマートは今、イカとタラの製造にかかりきりになっています。今年はタチ(白子)の製造もおこなう予定です。昨年、白子のような身質の素材がブライン凍結後、品質良く上がるのかテストしました。10kgもあるタラの白子となりますと、重量も大きくなるので、250gの小ポーションにして真空包装し、ブライン凍結させて使いたい時に使いたいだけ解凍できるという商品です。結果は非常に良く、想像以上でした。昨年はタチも終わり頃のテストでしたので、今年は良い状態になりましたら始めたいと思います。ご期待ください。

いやあ、今年は寒さ対策も万全にしたと思っていたのですが、実際寒くなるとやっぱり寒いですねえ。冬と夏になるといつも思うのですが、この冬の間の冷気を蓄えておいて、夏に使えないものかなあ・・・と。夏には暖気を蓄えておいて暖房に使えないかなと。エネルギーを使わずに貯蔵できたらいいんですけどね。水産業は氷やら冷凍庫やら、結構エネルギーを使いますし、冬には暖房などでエネルギーを使うものですから。

そうそう、太陽炉ってご存知ですか?あの太陽炉をもっと実用化させることが出来ないかなって考えていた時もあるんですよ。直径、ほんの5メートルくらいの太陽炉で、1cmくらい厚みのある鉄板を短時間で溶かしてしまうエネルギーを作れるんですよ。そこで考えたのが、宇宙空間に大きなレンズのようなものを作って、地上に集光して、それを太陽炉が更に集光させるとすごいエネルギーが出来るんじゃないかと・・・。

ハイテクノロジーを作り出すより、意外とアナログ的な発想で出来ないかなってね。まあ、現実は厳しいものがあるのかもしれないけど、難しく考えていて、ふと、ああ・・こうすればいいだけの事じゃないかって気づく時がありますよね。押してもだめなら引いてみな的な発想で出来たらいいんですけどね。

ものごとを考えている時、よく私は、意識して反対側を見るようにしています。全く逆側を見ると、意外と簡単に解けたりすることがあるんですよ。ものごとはだいたい裏か表かってことがほとんどですから、表側に無かったら裏側にあるもんですよ。また、根拠の無い仮説を沢山たてることもします。車のタイヤが青色だったら?赤色だったら?なんて全く意識した事も無いことを考えてみたりします。どうですか?車のボディはよく考えますが、ホイールの色やタイヤの色はあまり意識したことがないでしょう?

まあ、こんな感じで突拍子もないことを考えて遊んでいると面白いですよ。けっこう仕事にも活かせるようになってきたりします。

いつまでも捉われず、こだわらずにやっていきたいと思っています。

 

2013年10月16日

今年から刺身用さんまフィレの自社製造を始めたのですが、とにかく肩が凝ってます。いやあ・・細かい仕事です。捌いても捌いてもなかなか重量が増えないので、これ、ほんとに利益が出るの?という作業です。笑

まあ、美味しいのはほんとに美味しいんですけどね・・・。スタッフみんなに、今年はさんまフィレやるぞ!と息巻いたのはいいのですが、やり始めて、う~ん・・なかなか進まないし、鮮度落ちしないようにところどころで鮮度保持の仕組み作らないといけないしで、ちょっと座礁に乗り上げかけました。

でも、やると言って始めた限りは成果を上げなきゃ膨大な無駄を作っただけで終わってしまうので、とにかく速く捌けるようにと、いつもの如く町へ繰り出して道具探しです。

さんまの腹は長いので、その形状に合った包丁や、抜群に切れる道具やらと、これかなと思う道具を片っ端から持って帰りました。二日目は、それぞれ試しているうちに、なんとか恰好がついてきたというところでした。でも、三日目あたりになると、そろそろ本領発揮です。

この道具はこの部分だな。これはここだなとか、思考錯誤しているうちに、各部位の形状に最適な道具が決まり始めました。中には0.2mm厚の刃物が合ったりと、三種類の道具を使い分けることではまってきました。捌くごとにタイムを伸ばしたのですが、なかなか大幅なスピードアップは望めず、ちょっと立ち止まって考え込む始末です。

これではなあ・・と、今度は道具ではなく、工程を細分化して全く違う順序に並べ替えてやってみました。何度か試行錯誤しているうちに、「あっ!」と思うところがあり、これだ!と思いつき、やってみると、なんと35%の生産量アップです。

いやあ・・・固定観念や既成概念は時に邪魔ですねえ。イノベーションを起こすには180度ものごとの見方を変えたり、天と地をひっくり返してみるくらいでないとだめですね。

ああ・・・でも、姿勢や道具が慣れるまで、しばらくは肩こりの呪縛から解放されそうにありません。

近くに漁師がよく行く腰痛に効く温泉があるので、明日は温泉でも行ってこようかな。

2013年09月12日

いつもお世話になり、ありがとうございます。

先日、函館国際ホテルで、見本市と世界料理学会が開催されました。さかなだマートは、ほっけの刺身と北海たこを試食していただき、大盛況でした。

ほっけの刺身を食べたことが無い人がほとんどで、刺身で食べることが出来るの?と驚かれていた人がほとんどでした。また、ご存知の方が居られても、食べたことが無く、こんなに美味しかったんだねと感動されていました。

この見本市は、世界料理学会の有名なシェフたちも試食に来られるということで、翌日NHKに放送されました。さかなだマートのブースにも海外のシェフや、ホテルの料理長たちが沢山おいでになられ、興味深く話しを聞いてくれていました。

見本市

ほっけの刺身を刺身包丁で捌いているところ。

見本市

さかなだマートの社長が、ほっけ刺身の作り方を説明しているところ。

 

見本市

社長は会話が好きなので、終始なごやかで笑顔が溢れる雰囲気でした。どうもありがとうございました。

2013年08月23日

ごぶさたしております。代表の辻合です。鹿部は朝夕めっきり冷え込むようになりました。お盆を境に急に冷え込むようになります。

浜では早くも秋鮭が揚がり始めています。これから北海道の季節で、いか、鮭、秋ほっけ、すけとうだら、真だら、ブリなど、沢山の魚介が水揚げされます。めるまがでもご案内してまいりますので、ご期待ください。

今度、9月の9日、10日に函館国際ホテルにおいて、世界料理学会IN函館が開催されます。渡島総合振興局から招待され、その折に私たちもブースを設ける事にになりました。生産者と料理人、食に携わる専門家との道南食材見本市です。スペイン、イタリア、アメリカ、シンガポールなどの海外からも料理人が来られるようです。

http://www.ryori-hakodate.net/

東京や関西からも一流の料理人が集まり、料理哲学や新しい食の未来について語り合うようです。近年は、「食を科学する」と共に、「哲学」を持って取り組んでおられる料理人の方が増えてきました。分子ガストロノミーなどの科学や、サスティナビリティを哲学レベルで表現するなど、知的生産的な活動をされています。

また、情報社会になり、国境を越えて、食が進化を始めていると感じます。一昔前でしたら、ただフランスやイタリアから料理をコピーするだけの日本でしたが、近年ではそういった真似の文化を越えて、自分たちで世界を表現していこうという新しい試みも感じられます。

もう30年前になりますが、イタリア修業から帰ってすぐに感じたことは、和食と通じる文化もあるのですが、やはりイタリアと日本では文化歴史的背景の違いが大きいので、イタリアと日本が国境を越えた時に和食とイタリア料理がマリアージュする方向性を探っていきたいと考えました。

新しいものを採り入れ、自らの文化を自らの手で考えで進歩していくのは文化の形成であり、素晴らしいことだと思うのですが、ただコピーだけする事には非常に抵抗感を覚えたものです。現在もそうですが・・。

30年前に私たちが掲げたフラッグシップは、「食を科学する」、「料理人の社会的地位を高める」「食の研究室を開設する」という3点でした。徒弟制度にも良い点はあるのですが、容認しがたいところが沢山あり、当時独立して、飲食業界の組織の改革、賃金体系などにもメスを入れました。

なにがしかの縁で、現在北海道で水産メーカーを営んでいますが、北海道は更に10年くらい遅れています。良い資源や環境はあるのですが、それゆえ旨みを外(中国などの海外)に持っていかれている状況です。何が足りなくて活かせないのかをよく考えますが、食料庫という役割イメージと資源大国という食資源に甘んじてきたことが大きく、また、歴史的背景にも深く関係があると思います。

今まではそれで成り立ったのかもしれませんが、これからは問題だと感じます。資源に頼れない時代ですので、何か進化を遂げないと、経済も成り立ちません。私はよく新商品、新戦略、マーケティングのイノベーションを興しますが、あっと言う間に真似をされます。それはそれで貢献できていると思っていたのですが、長い間に感じたことは、それ以上が生まれていないという事です。中には商品名やキャッチ、コピー、文章までそっくりコピーして使う方もおられます。

経営戦略的にはそれも有りかもしれません。が・・、教育視点で考えると、いつまでも自立できないままの北海道が続くと思うのです。情報社会=コピー文化という図式や意識を改めないと、情報社会に頼れるのもそう長くないでしょう。

函館は世界の人たちから見ると、素晴らしい地だと思うのです。観光資源が有り、文明や文化の歴史もあります。世界的にも有名な夜景や、五稜郭、そしてなんと言っても一時と比べて減ったとはいえ、海産物、野菜など、豊富な食資源があります。海外から来る観光客の興味は、歴史文化、食、観光です。

私の夢の一つですが、この地を世界的に有名な食の王国にしたい。そんな想いを抱きながら15年が経ちました。水産物を中心に、体験型料理学校を作り、漁師にも協力を得て、いか釣り漁などを子供たちに体験させるのもいいだろうと想像しています。机の上で学ぶより、現場で学ぶほうが遥かにいい。

これからは、生産者の仕事から流通、物流を経て、キッチン、最終はレストランのお客様へ至るそんな連鎖している一連の流れを学ばせないといけないと思うのです。一部分だけをかいつまんで教えても何か物足りなさを感じるはずです。全体像が見えず、原因と結果の意味も理解できず、これからの料理人が果たすべき使命を肌で感じる事ができません。

動機が無ければイノベーションなど起きるはずもないと思うのです。まずは、環境作りでしょう。そしてその環境を作り出すには? まだまだ私たちのテーマは難しい問題が沢山です。

スペインのサン・セバスチャンが10年足らずで世界の美食で有名になり、奇蹟を起こしたように、函館にもそんな奇蹟を起こせると思うのです。

ただ、思うだけでは成りません。官民協力した大きな戦略がまず必要です。

ですから、今回の世界料理学会を招いての道南食材見本市などは、非常に有意義だと思います。国内はもとより、世界各国から来日する料理人の話を聞いてきたいと思います。

 

2013年08月03日

今後、函館のイカ漁が活発になってきます。 今年は、瞬間冷凍姿ブライン凍結以来のBIG商品を開発しています。

活きの良いイカを、マイナス55度で、姿瞬間冷凍よりも5倍速く凍らせ、 高品質に仕上げる商品設計です。

しかも料理人が従来よりも簡単に刺身用に処理できます。

全てに於いて姿瞬間冷凍を凌ぐクオリティを実現するためのTQMです。そしてなんと言っても、限りなく活に近い品質を満たしながら、ローコストを 実現した事が今回、特筆に値すべき事柄です。

昨年、発表した「生きてる細胞真イカ」と共にご期待ください。

※昨年は、生きてる細胞真イカの予約が殺到しました。今年、お使いになる予定がございましたら、早めにご相談ください。

新商品ともども、水揚げが活発になってきましたら、詳しくご案内させていただきます。

 

2013年07月10日

マキリ5寸5分

以前のマキリより1寸長いマキリを打ってもらいました。刃の厚みが増し、幅も少し広くなり、ヤナギに近くなりました。刃の厚みは増しましたが、切刃が広くなった分、切れ味も鋭くなっています。柄が若干太いので、手に合うよう栗型に削るつもりです。

使ってみた感想は、今回は柄元があるので、安全性が高くなったこと、切れ味が非常に鋭くなったこと(切刃が広くなったゆえ)、柄の長さがあと3分ほしいと感じたことです。ただ、マキリは掌底で柄尻を押さえながら使う時がありますので、微妙なところですね。

和包丁は茶の湯と似ているところがあります。例えばシンプルというのは、柄であれば、誰もがわかるように指型に持ち方のガイドラインがありますが、和包丁の柄は「無い」のです。持ち方にガイドラインが無いのが和の「無い」です。無いからこそ、全てが生まれるのです。

無いからこそ全てが在る。ガイドラインが無いからこそどのような持ち方も出来るのが、「無い」なのです。ガイドラインというのはシンプルに、どのように持ちなさいという解りやすさなのです。そのガイドラインが無いからこそ、全てが在るというのが茶の心であり、和包丁の柄なのです。

茶室は何も無いからこそ、想像が働き、全てが在る(生まれる)のだと思います。最近は、マニュアル(ガイドライン)が無いと何も出来ない人が増えましたが、想像や創造が働かなくなり、思考の幅が狭くなっているのではと感じます。

また、情報社会も火に油を注いでいます。調べれば出てくるので、想像や創造が働かない傾向にあるように思います。情報社会は情報が及ぼす影響を心得ていないと横並び社会になりかねません。

何も無い(ガイドラインが無い)からこそ全てが在る(どんな握り方も出来る)。そんな茶室の心に通じるものが和包丁の心ですが、このマキリもそんな包丁です。漁師が揺れる船上でこれ一本で全てをこなすために作られた刃物で、魚を〆る、魚を捌く、ロープを切る、自由自在に扱います。何も無いからこそ、全てがあるという究極の形なのです。

目に見えないことにこそ大事なことがある。そんな目を養っていきたいと日々想像を働かせるようにしています。ただ、情報と情報の組み合わせにより生まれる事も沢山ありますので、どう思考を働かせるか、何を選択するかは、その人に委ねられるのだと思います。ちなみに私は、両方の機会を持ち、使い分け、または融合、または選択をするように思考を働かせております。

例えば子供は両親の異質な遺伝子を両方持って生まれてきます。これは自然の変化に対応するためだと思いますが、自然は完全には予測不可能です。その予測不可能に対処できるように、全く異質な遺伝子が引き合い、両親の異質な特性を両方備えて新たな生命は、進化します。

マキリは、どんなシチュエーションにも対応するため、型にはまらない包丁と言えるでしょう。

もちろん専門の道具ではないため、刺身の機能は刺身専門包丁にはかないません。しかし、今回あつらえたマキリは長さが加わることにより、各機能がより専門に近づいたと感じました。とても気に入っています。

まきり6寸

2013年06月18日

ますのすけ

一昨日、小型ですが、3.5kgサイズのますのすけが2本揚がりました。一本は小さいながらも、絶品の脂の乗りでした。

ますのすけ

ますのすけ(近海物キングサーモン) 目がブルーアイです。

2013年06月14日

天然本まぐろの熟成

本まぐろが水揚げされてから、日々、熟成具合を調べています。1日目~2日目までは、熟成が進んでいることがわかるのですが、風味や味、食感に大きな差はありませんでした。ところが2日半目に味見してみると、急に熟成が進んだ事がはっきりわかり、味、風味に深みとコク、旨味が増しました。サッパリ感から深みある風味と味に変化し、身と筋の柔らかさも増しました。また、身の色も透明感がかった赤から、はっきりした濃い赤に変色しました。

温度は5度、約3日くらいで深みが増すだろうとの設定でしたが、うまくいったようです。魚体の大きさ、温度、固体の差などにもよると思いますが、こういった実験を何度も何度も繰り返していきたいと思います。

包丁は、和包丁の6角の柄で、刃は銀3尺一寸の牛刀と、たこ引き、相出刃の3本を使いました。部分により使い分け、ロスの無いように骨やヒレと身を切り離していきましたが、こちらも不満な点は無く、頭にイメージした通りに運びまた。

カットの仕方は幾通りかありますが、片刃と両刃を使い分けることにより、より素早く正確に切り分けることが出来たと思います。柵も作り、如何に速く中まで凍らせるかに細心の注意を払って凍結しました。

たこ引きですと、身がまとわりつきにくく、思ったように刃が動いてくれます。使うたびに少し湿らせた布巾で拭き、細かい粒子の水滴をつけると尚綺麗に包丁が走ります。

刺身を作るか、寿司ネタにするかを想像しながら幅や高さも慎重に決めてカットしましたが、今後、お客様に実際使っていただいて、ベストを探っていきたいと考えています。

姿、半身、5枚卸は販売を始めましたが、柵のほうはもうしばらくお待ちください。

いやあ、やっぱりマグロは捌いていても慎重さと集中力が要りますね。また大きいので力も必要です。

でもやっぱり面白いですね。いろんな意味で技術者冥利に尽きる魚です。

2013年06月11日

北海道産天然、本まぐろ(メジ)の水揚げ

今日は、津軽で水揚げされた本マグロ(メジ)を捌きました。14kgくらいのメジです。 冷蔵庫で熟成させながら脂がまわるのを待っています。 本マグロはどうやら、いわしを追って、やってきたようです。 今、戸井あたりに居るので、これから噴火湾のほうへ来るのではないかと仲買の中で話題になっています。

本まぐろ

 

本マグロ

2013年06月08日

魔女の宅急便に、さかなだマートの魚が出演

いつもお世話になり、ありがとうございます。さかなだマートの辻合です。

最近、さかなだマートの社内では、ちょっとした話題で湧いています。   それが、来春に放映される、魔女の宅急便の実写版が今撮影されていますが、 撮影チームの方から電話が入り、さかなだマートの鮭やほたて貝を、映画の シーンの中で使いたいとの依頼があったのです。

アニメの魔女の宅急便を観て、大好きなスタッフが、自分たちの作っている 魚が映画に出るというので騒いでいるのですよ。 どうやら、映画のシーンで看板を出してくれたり、エンドロールにも流して くれるらしいです。

実は、私も魔女の宅急便を観たうちの一人で、放映されるのを楽しみにしているのですよ。

さて。刺身用ほっけキャンペーンが始まりました。7月いっぱいまで予定していますので、さかなだマートだけの逸品をお試しください。道南の素材200選にも選ばれた、高品質刺身用フィレです。

尚、キャンペーンは7月いっぱいまで予定していますが、水揚げが少なくなると終了する場合がございますので、ご了承ください。

どうぞよろしくお願いいたします。 

2013年03月11日

釣り物、真だらフィレ

いつもお世話になり、ありがとうございます。 ただ今、北海道噴火湾で捕れた、釣り物の真だらフィレを作っています。

昨日も捌いていましたが、いやはや、久しぶりにやってしまいました・・。 釣り漁で捕れたタラなので、喉あたりに大きな釣針が残っている場合が あるのです。

私たちは出刃包丁で魚を一本ずつフィレに捌いているのですが、今日は針が無いぞと、調子にのって包丁を走らせていると、「ガリッ!」   「あ・・!しまった・・。」と包丁を止めたのですが後の祭り。 刃こぼれです・・。

切っ先から5cmくらいのところに2箇所、1mmくらいの刃こぼれが起きてしまいました。やれやれ・・。
一日に500kgくらい捌く事は日常茶飯事ですので、刃がこぼれるとカミソリのように切れずに腕が疲れてしまうのですよ。今日は早速研いで、刃の修正です。 

真だらは、短く大きなアバラ骨が横に張り出すように広がっているので、鮭やサクラマスのようにはいきません。包丁を入れる順序や角度を変えながら、早く綺麗に捌けるように工夫しています。鮭ですと、一本あたり20秒から30秒くらいでフィレにしてしまうのですが、今回のように特に大きなタラですとそうもいきません。

しかも水が冷たいので、指の感覚が無くなるのも早く、大きなボールに湯を張って手を温めながらの作業になります。我慢してそのまま捌いていると凍傷にもなりかねません。いやあ、冬の工場はほんとうに厳しいです。ただ、その分、魚の鮮度は抜群です。

そろそろ大謀網(定置網)も入り、魚が沢山水揚げされる季節ですので、他の包丁も手入れして準備しようと思っているところです。

2013年02月11日

待ち遠しいサクラマス

奈良から北海道へ来て、水産メーカーを立ち上げて15年近く経ちますが、 当時、浜市場にサクラマスが並んでいたのを見てとても驚いた記憶があります。

アマゴは大きくなると、サツキマス。ヤマメが大きくなるとサクラマス と呼び名が変わります。奈良に居る頃は、渓流釣りが好きで、台高山脈、大峰山系の山々を登ってアマゴを釣っていました。

アマゴとヤマメは姿形もよく似ていてほぼ同じなのですが、アマゴはパーマークに赤い斑点があるので、見分けがつきます。 アマゴやヤマメは川の妖精と呼ばれるくらい美しい魚です。 大きくなっても、魚体の美しさは変わらず、体色は綺麗な銀色に変わります。そんな憧れのサクラマスが北海道の浜に沢山並んでいたものですから、目を疑ったものです。

調べてると、当時、北海道鹿部町では、鮭より劣る本マスとして流通して いて、入札の価格も鮭と同等の値でした。加工処理もずさんだったので、そんな事から価値の低い魚と見られていたのでしょう。「マスはマスだべ」と、他の仲買いもほとんど見向きもしなかったのですが、私たちはセッセと札を入れていました。そんな事から、「サクラマスの嘉楽」と呼ばれたものです。今では、浜値も価値も鮭の数倍になりました。

繊細で鮮度落ちが早い魚なので、私たちは釣り物を扱うようにしています。 漁師が釣ったサクラマスを締めてすぐのサクラマスです。そのサクラマスをすぐに工場に運び、三枚卸にして、超極低温のブライン凍結機にかけます。マイナス55度という全国初の極低温を実現して、最高の品質に仕上げています。 高品質のサクラマスを試してみたお客様がどんどん増え、今ではサクラマスも高級魚扱いになっています。

ところで、函館や噴火湾の仲買いのプロは、サクラマスというと5月と思っておられる方が多いのです。しかし、実際、2月のサクラマスの身を食べてみるとわかるのですが、この時期のサクラマスは、5月と比較すると格段に脂がのっています。
、購買率ルーペで脂の刺しの入り方を見るても明らかにわかります。ですので、私たちは2月のサクラマスを別格と呼ぶようにしました。

昨年、この事をめるまがで配信したところ、引き合いが殺到したのですが、残念ながら群れが来たのは一回だけで、みなさんにお届けすることが出来ませんでした。今年は大漁に水揚げされる事を期待したいと思います。水揚げされましたら、めるまがでもご案内いたしますので、是非召し上がってみてください。刺身でも焼きでも、どちらもとても美味しいですよ。

2013年01月25日

いつもさかなだマートをご愛顧いただきありがとうございます。今年も新商品開発や新しい技術にチャレンジしてまいりたいと思います。

早速ですが、今年は3年貝がたくさん水揚げされていますので、1月からホタテ貝のキャンペーンをスタートしました。冷たい海水から水揚げされたホタテ貝は身が締まっていて美味しいんですよ。4年貝という大きな大きなホタテ貝もありますので、是非メニューに組み入れてください。品質は最高級、価格は非常に安価と、買いの食材だと思います。

さて、今日は少し経済で思うことを書きたいと思います。営業をしていると、1月は閉店される飲食店がいつもより多く目立ちます。なかなか目新しいネタも無く、熾烈な価格競争と、消費者年齢の変化により退店を余儀なくされているのだと思います。

住宅街などは、高齢社会になり、外食が減り、デリバリーなどの中食が活況のようですね。また、高級フランス料理店が立ち食いレストランになったりと、確実に時代が変化している事が覗えます。

景気も、自民党が打ち立てた経済対策が功を奏するのか、みなさんも注目しているところでしょう。ちなみに非耐久消費財である食は、3%程度のインフレになると予測されています。おそらく4月頃から2年間くらいは景気が上向くのではないかと考えています。今、閉店しようか迷っておられる方も、頑張れるのであれば、春まで様子を見ても良いかもしれませんね。

そして2年間くらいの間にイノベーションを起こすなど、その後の対策を練るという事も一つの方法だと思います。経済を完全に読むことは出来ませんが、情報社会により、ある程度の予測は出来ると思いますので、短期、中期の予測をして、先手を打っていけるようにしたいところです。

日本は国債の額が大きいので、インフレになると少し警戒しなければいけません。国債バブルがはじける可能性があるからです。その時期が3年目くらいかなと私たちは予測しています。

ただ、比較的景気に左右されない方法もあると思いますので、過去に捉われず、イノベーションを起こして挑戦することが最も大事だと思います。縮小社会や縮小経済においては、既成概念や固定観念が邪魔になり、足元をすくわれかねませので、柔軟な思考や発想で取り組んでいきたいですね。

見えていないだけで、いつどんな時も必ず道はある。見えないものを大切にしてこられた方にはおわかりでしょうが、切羽詰っても、いつももうダメだというところで道が開けてきました。夜明け前が最も暗いとも言われます。そして明けない夜はありません。信じて疑わず、力強く歩んでいきたいものですね。

こんな時代、多くが歩む道に機会が無いと見て、一人でも歩んでいくぞと器量を持ってがんばってまいりたいと思います。 今年の私たちのテーマは、教育マネージメントに力を置くことです。社員の一人一人が人生と業務を勉強し、過去に受けてこれなかった人間力という教育を推進したいと考えています。知識も大切ですが、むしろ知恵が働く思考法を教えていくつもりです。

実は私は、毎日、黒板の前に立って、自分が教えることが出来ることを精一杯社員に教えています。マーケティング、マネージメント、精神面の整え方、相対的なものの見方、全く違った角度からのものの見方、EQ値の上げ方、技術、サービス、本当に多岐に渡って教えるようにしています。

社員のみなさんも新鮮なのか、食い入るように聞いてくれますので、私としてもやりがいがあるのですよ。勤務時間の1時間を勉強会に充てていますが、効率だけでは限界があると感じるからです。社員が数人居れば、1人当たり生産性を150%に上げることが出来れば、とても大きな力になります。また、社会のためにも、人間一人一人が軸をしっかり持つ事が大事だと思うのです。私たち企業が目先の利益を出すことだけに捉われていると、原理原則を忘れて表層部分だけに捉われ、本来人として幸福に生きるとは?という哲学さえも失われてしまいそうになります。

閉鎖性空間である地球は、連鎖と循環によって成り立っています。人間の身体も、経済も、社会も、連鎖と循環です。良い事は伝えるという行為がサスティナブルな社会や経済を作ってくれると思うのです。そして、社会のためを考えたフィロソフィーを持った会社が社会に必要とされ、持続するのだと思います。

効率や能率だけに捉われず、時間がかかっても、しっかり学ぶ風土を持った会社作りをしてきたいと思います。そして、みなさまに喜んでいただけるようになることが最大の私たちの目的である事を、認識深めてもらいたいと考えています。